今こそ、休戦協定を平和協定に!

 

 1950年の6・25朝鮮戦争は、まさに民族の悲劇のはじまりであった。1953年7月に軍事休戦協定が結ばれるときまでこの戦争は、南北双方で300万人に上る尊い命を奪い、1千万人の離散家族を生み出した。そして、民族の間に深い心の傷跡を残しながら、南北の対立関係を深化させた。本来、休戦委員会は平和協定の締結という最終的な戦争処理を行う責任があったが、この半世紀の間、休戦協定から平和協定への移行は実現されなかった。(休戦協定は、北韓・米国・中国との間で結ばれ、韓国は含まれていない)

 私たちは今一度、休戦協定の持つ意味を考えなければならない。休戦協定は決して戦争の終結を意味したものではなく、戦争を一時休止している状態であって、いつまた戦争が起こってもおかしくない状況を意味している。

 駐韓米軍の存在の根拠もまさにここにある。「北韓がいつ攻めてくるか分からない。だから米軍が君たちを守ってあげるんだ」これこそが米国の狡猾な論理だ。

 米国は韓国との間で不平等な「韓米行政協定」(SOFA)を結び、米軍を駐屯させる一方、軍事統帥権を握り、平和協定を意図的に結ぼうとはして来なかった。その理由は駐韓米軍の存続にあり、極東における軍事支配権の維持であった。

 今、韓国では、3万7千名の米軍が94ヶ所の基地、約8000万坪の広大な土地を無償で使用し、米軍兵士による犯罪は後を絶たない。彼らは「反共安保」の名の下で決して裁かれることがない。このような不条理は、韓国民衆の米軍に対する意識を確実に変化させてきている。「米軍虐殺蛮行真相究明全民族調査委員会」(全民特委)の結成に見られる米軍兵士による良民虐殺の南・北・海外共同の調査事業や、「梅香里米軍射爆場閉鎖闘争」などの住民の生存権をかけた熾烈な「反基地闘争」がそれである。

 世界で最も親米国家と言われてきた韓国社会で、「反米」「駐韓米軍撤収」の声が、かつてなかったほど高まっている。これは大きな地殻変動である。また、今日まで民衆を弾圧し、歴代政権の維持装置の役割を果たしてきた「国家保安法」や、これまでの度重なる南北の軍事衝突も、南北が敵対してきた負の遺産であることを忘れてはならない。

 このように見ていくと、「民族の悲劇」はまさに南北の分断と対立関係が生み出した産物であり、教訓である。「民族の悲劇」に終止符を打つ道は「民族の和解」以外にない。そして「民族の和解」は時として突然やってくる。6月13日〜15日に行なわれた歴史的な「南北首脳会談」がそれである。金大中大統領と金正日国防委員長の握手は、全民族の歓喜と涙を呼び起こし、全世界の人々に民族は一つであることを示した。南北首脳会談以降、南北関係はかってない早さで「和解と協力関係」を積み重ねてきている。シドニーオリンピックの開会式で南北の選手たちが朝鮮半島を描いた「統一旗」を先頭に、ともに手を取り合って入場行進したその光景は、すべての人々に感動と祝福の拍手を呼び起こさせた。

 しかし、私たちは諸手を上げて喜んではいられない。米国は「南北が和解しても駐韓米軍は撤収しない」と言明し、ここに米国の本音がよく表れている。

 半世紀に及ぶ冷戦状態に終止符を打ち、完全なる「和解と平和」を作り出す道は、休戦協定を平和協定に移行させること以外にない。平和協定は「南北の和解と信頼回復」「協力と協調関係」をさらに増幅させ、「軍縮と統一への道」に繋がっていく。平和協定が締結されれば駐韓米軍の存在理由もなくなる。

 歴史的転換期を迎え、民団・総連を含めたすべての在日同胞が、この日本の地から「今こそ、休戦協定を平和協定に」という声を、全世界に発信することの意義は非常に大きい。

 今こそ、休戦協定を平和協定に!わが民族に祝福あれ!

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