◆コラム◆

 レンタルビデオ店から更新手続き依頼と、レンタルビデオ1本サービスのハガキにつられてビデオを借りた「評決」。新作は1日、旧作は1週間、延滞料が馬鹿らしいので、昔の映画でおもしろいのがあればなーと。何かおもろなさそうやけど、手にとった映画が「評決」。

 ポールニューマン扮するアル中弁護士が、死亡広告欄を見ながら、故人の友人を装い、遺産処理の代理人になろうとするが、見破られて追い出されるのが常。そんな折り、医療過誤の依頼が舞い込んでくる。誰も相手にしないのはもっとも、相手は大病院。とてもじゃないけど勝てそうにない訴訟である。手術前に食事をさせてしまい、気管に嘔吐物が引っかかり、手術中に窒息死してしまったのである。病院はカルテを改竄(かいざん)。カルテに食事時間を記入した看護婦は解雇。病院側の弁護団は金に糸目をつけず、あらゆる手段で裁判所並びに陪審員を説き伏せる。

 評決直前、探しに探した看護婦を見つけ、証言の依頼をする。最後の頼みの綱である看護婦の証言は、買収された裁判長によって、ことごとく却下。万策尽きて、陪審員への最終陳述である。

 「人は弱いものです。何度も何度も裏切られ、傷つき、固くなってしまう良心は、真実を見る目を摘んでしまう。この国の制度に馴らされ、これが真実だ、これが正義だと責め立てられる。もういいじゃないか、もういいじゃないかと自分を納得させる。

 今日、ここではみなさんが法律です。柔らかい良心の目で、しっかりと向き合う時、そこに真実が見えてきます。・・・・今日、ここではみなさんが法律です」

 南北頂上会談を経た今日、「分断か統一か」の評決を迫られているように思えた。半世紀に及ぶ分断の狭間で裏切られ、傷ついた人々に「今日から、みなさんが法律です」と。

 

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