ナヌムの家パート3「息づかい」

 1999年制作(77分)

監督:ピョン・ヨンジュ

 日本軍によって従軍「慰安」婦にされたハルモニ(おばあさん)たちへの聞き語りを中心に、その苦難の半生と今を生きる姿を描いたドキュメンタリー映画「ナヌムの家」。第1作目の制作開始から数えて6年にあたる昨年完成した今回の「息づかい」は、総集編という前評判にふさわしく、第2作にも増して、彼女たちの生き生きとした有り様が伝わってくる。

 記憶と想いを分かち合うため、身がインタビュアーとして駆け回るハルモニ。毎水曜日の日本大使館前での集会。そして、母の過去を知りながらも、それを受け入れる娘と母との感動的な交流。少女のように瞳を輝かせながら、強く、そしてしなやかに時を刻む彼女たちの姿から、彼女たちを支えてきた人々の姿までもが伝わる。

 ピョン・ヨンジュは語る。「私は日本政府に対する要求はありません。日本の問題だと思うからです。もし、日本が賠償をしたら、いい政府の下で日本の人たちは暮らしているんだな、とうらやましく思うでしよう。」

 深い傷を負い、今も国難を重ねる彼女たち。しかしその中から、確実に人間らしさを取り戻していくありさまを前に、同情心など入りこむ余地もない。ただ、観る者たちの今を問いかけてくる。(範)

 8月14日/吹田・メインシアター、8/26〜9/8京都・朝日シネマ(レイトショー)などで上映予定。民主女性会とハナの会の共催で9月10日(日)に上映会を予定しています。

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