映画批評

 「韓国映画 「シュリ」

 

 この映画を見に映画館に入った時の第一印象は、「若い子たちがとても多いな」という印象であった。もちろん同胞なのか、日本人なのかまでは分からないが、客席の大多数を占めていた。

 この映画のストーリーは単純明快だ。北韓で軍事訓練を受けた女性スナイパー(狙撃手)イ・バンヒと、その彼女を追う韓国情報部員・ユ・ジョンウォン二人を主人公にした、派手なアクションあり、恋愛物語ありの娯楽映画だ。

 映画が公開される前、「ハリウッド並のアクション」「分断の悲劇がにじみ出る」などなど、いろいろな宣伝がされたが、当たっていたのは派手なアクションぐらいであった。「分断の悲劇」といった部分よりは、映画に出てくる北韓軍の兵士を見て「やっぱり北韓は怖い国」などといった間違った認識を、見に来た若い年代層などに与えかねない部分が多かった。

 確かに映画のラストは分断の悲しさを見出すことができる。しかし、30年・40年以上も獄中に捕らえられていた良心囚と呼ばれる先生方が、釈放された現在も、北韓で生活している家族に会うことができず、南韓の地で苦労されているのが現状であり、まさしく祖国分断の悲劇である。

 韓国では、日本映画の「ラブレター」が人気を集め、日本では「シュリ」が全国の観客動員数が50万人を越える大盛況となり、それに伴ない韓国政府は「日本文化の第3次開放」を検討しているそうだ。

 日本が欧米の文化にのみ込まれている現状が、今度は韓国に訪れようとしている。

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