◇記念講演禄 

はじめに
 去る11月18日に韓国の民主主義民族統一全国連合(全国連合)執行委員長として、統一運動、国家保安法撤廃闘争などで中心的な役割を果してこられた韓忠穆(ハン・チュンモク)氏が来日し、大阪で講演集会が開かれた。その要旨を紹介する。

 

■全国連合とは

■誰が、何のために作った法律なのか

■平和統一を主張して処刑された大統領候補

■「疑問死」をとげた烈士の父母たちのろう城闘争

■日本における連帯勢力に大きな力を得て

■11・14第1次民衆大会に3万5千名が結集

■撤廃33%、改正48%  世論調査に見られる改革的変化

 *この講演録のパンフレットを作成しました。
  一部200円ですので、ぜひお読み下さい。

 

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■全国連合とは

 韓国社会各階層の全国組織と地域大衆組織を母体とした唯一の在野運動組織として1991年に結成された。

 現在、主として全農(全国農民会総連盟)・韓総連(韓国大学総学生会連合)・遺家協(全国民族民主遺家族協議会)など9つの部門団体と、11の地域連合で構成され、民主労総・民家協(民主化実践家族運動協議会−良心囚家族の団体)など5団体が参観団体となっている。

 昨年2月の第8期定期代議員大会で選出された呉宗烈(オ・ジョンヨル)常任議長をはじめとする新執行部は、「IMF体制にさらされる民衆の生存権を争取」「民族自主闘争の強化」「99統一大祝典・第10次汎民族大会の成功を全力で勝ち取る」などの方針を確立した。

 昨年8月15日に板門店で行われた99統一大祝典・第10次汎民族大会に南側代表6名の内、3名を派遣した。現在、韓国全域で繰り広げられている国家保安法撤廃闘争で中心的な役割を果たしている。

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■誰が、何のために作った法律なのか

 韓日民衆連帯のために、そして韓国の国家保安法撤廃運動に、日本におられるみなさんが、ともに参加してくださっていることに、心から感謝の意を表したいと思います。

 国家保安法は、民族解放闘争を抹殺するために1926年に制定された日本帝国主義の「治安維持法」にその出発点があります。その後、私たちは1945年8月15日、祖国の解放を迎えました。しかし、米国による軍政の後、李承晩(イ・スンマン)を大統領とする韓国政府が誕生するや、1948年12月1日に「反共法」が制定され、その後、何回かの「改正」後、現在の「国家保安法」となりました。この「国家保安法」は、韓国内や海外で民主的で進歩的な、統一を志向する数万の勢力を弾圧する道具として猛威を振るってきました。韓統連は、この「国家保安法」によって「反国家団体」と規定されました。また、祖国に留学した在日同胞の方々が、国家保安法違反によって死刑、無期懲役という重刑を受けたのです。

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■平和統一を主張して処刑された大統領候補

 例をあげますと、1950年代に韓国大統領選挙で当時大統領候補曹奉岩(チョウ・ボンアム)氏は、300万票に近い国民の支持を受けました。しかし、曹先生は、ただ「祖国の平和統一を主張した」ことを理由に、「北の主張に同調した」として、国家保安法によって死刑に処され、死刑執行は裁判で判決が下りた日の翌朝、即刻行われたのです。さらに、みなさんもご承知のように、現在の金大中大統領も過去に国家保安法によって死刑判決を受けたことがあります。

 最近になって、米軍による韓国国民虐殺事件が数多く明かになりました。いま、私たちが各地域組織を通じて確認しただけでも虐殺事件は70余りの地域にのぼります。この70余りの地域では、少ないところで100名、多いところでは数百名の国民を米軍が無慈悲に虐殺しました。それでも韓国では、これまで米軍による犯罪を世に明らかにすることがタブーとされてきました。

 韓国の国家保安法が、米国の韓半島植民地支配を維持するための法であるためです。

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■「疑問死」をとげた烈士の父母たちのろう城闘争

 国家保安法撤廃闘争はいまやソウルだけでなく、韓国各地で闘いが繰り広げられています。

 そして、ソウルの国会議事堂前に行くと、ひとつのテントが張られています。このテントの中では、数十人の年老いたオモニ・アボジ(父母)が、ろう城を続けておられます。全国連合で把握しているだけでも、これまで韓国で祖国の民主化と統一のために命を捧げられた烈士が、330名を越えています。87年に拷問によって殺された朴鐘哲(パク・ジョンチョル)烈士がそうであるように、大部分の烈士は、国家保安法による捜査過程でなぐり殺されたり、拷問による虐殺がはっきりしているのに「疑問死」として遺体が発見されたりしました。この亡くなられた烈士のオモニ・アボジたちが、冷たいアスファルトの上にテントを張り、名誉回復と真相究明に向けて実に1年に及ぶろう城闘争を行ってこられました。しかし、今にいたっても金大中政権はこの父母たちの要求に応える措置をしていません。

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■日本における連帯闘争に大きな力を得て

 先日、2度にわたって日本から十万名に及ぶ国家保安法撤廃要求署名を受け取りました。韓国でいろんな署名運動を経験した私たちは、十万名という署名を日本で集めることがどれほど大変なことか、良く知っています。十万人の署名用紙を受け取りながら、私たちは恥ずかしくなりました。国家保安法を撤廃するのだという、みなさんの意志が、韓国内にいる私たちよりも強いのではないかと思わざるを得なかったからです。

 また韓国で、女性が先頭に立って闘うという意味から、「女性宣言」というのを組織しました。その結果、国家保安法撤廃の「308人女性宣言」、続けて「3008人女性宣言」をハンギョレ新聞に意見広告として掲載しました。これを準備する過程でも、在日同胞と日本の良心的な市民の方がどれほど努力されたかを知り、私たちが闘争を展開するうえで大きな活力となりました。

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■11・14第1次民衆大会に3万5千名が結集

 現在、韓国ではソウルだけでなく釜山、大邸、光州、仁川、大田、清州など全国各地で国家保安法撤廃闘争が展開されています。10月30日に「国家保安法撤廃のための国民行動の日」として集会が開かれました。そして、ついに11月14日、3万余名が結集して「民衆大会」を開催し、力強い闘争を展開しました。民衆大会では、各階民衆の多様な要求を集約し、これを11大要求として合意し、大会を開催しました。11大要求のひとつとして「国家保安法撤廃」を掲げましたが、このスローガンを最も重要な要求として叫びました。これまでの国家保安法撤廃のための多様な闘争が結実した成果といえます。

 

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■撤廃33%、改正48%
           世論調査に見られる革命的変化

 先日、国家保安法の改正を論議するテレビ討論番組があり、その中で、電話による世論調査がありました。世論調査の結果は、「国家保安法は撤廃されねばならない」が33%、「改正すべき」が48%で、「そのままでよい」は、わずか8%でした。これは、南北が分断している状況で、いわば革命的な結果と言え、それほど国家保安法体制が根底から揺れ動いています。韓日連帯闘争を展開されている在日同胞と日本の友人のみなさん!

 素晴らしく美しい勝利の日に向けて、力強く闘っていきましょう。ありがとうございました。

 

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