第242号 2004年 4月 3日(隔週発刊)


韓 国 人 権 ニュース

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(統一ニュース 3/30)

ソン教授を政治局員候補と認定して懲役7年を宣告

弁護団・社会団体は「時代錯誤的判決」と糾弾して即時控訴

国家保安法違反容疑で拘束されたソン・ドゥユル(59、ドイツ・ミュンスター大)教授が3月30日の1審裁判で、懲役7年の判決を受けた。

 ソウル中央地方裁判所刑事合議24部(李デギョン裁判長)は、裁判の核心争点だったソン教授が朝鮮労働党政治局員候補だったかどうかとの部分を事実と認定し、ソン教授の学問活動の成果として評価されている「内在的接近法」が、親北朝鮮的な偏向だと規定して重刑を宣告した。

 南北の和解と協力の時代においてこのような重刑判決を下したことは、今後の南北関係全般に影響を及ぼすものとして、注目されている。

 特に裁判所がソン教授の労働党政治局員候補との容疑を認定したことは、ファン・ジャンヨップ前労働党書記の陳述とキム・ギョンピル前ドイツ駐在北朝鮮利益代表部書記官の「対北報告文」フロッピーに証拠能力を付与して、事実として認めたという点において、今後論議が高まることが予想される。

 ソン・ドゥユル教授は73年に自ら北朝鮮へ入国して労働党に加入、ドイツで親北朝鮮活動を展開しながら、91年に労働党の政治局員候補に選任され、国内外で主体思想の普及など任務を遂行した容疑、94年7月の金日成主席の死亡時、序列23位の葬儀委員に選任されて葬儀に参加し、学術会議参加の名目で6回の訪北をするなど、73年から今年まで22回にわたって北朝鮮の指令を受けるために訪北した容疑で拘束・起訴された。

 マスコミの報道によると裁判所は判決文で「被告人は朝鮮労働党政治局員候補としての活動事実が認められ、自らを『境界人』と偽装して、無批判に金日成父子の思想を韓国社会に伝達して南北の平和統一に悪影響を与えたことに重刑判決が必要だ」と明らかにした。

 裁判所は「労働党への加入が北朝鮮入国時」の「儀式」に過ぎないとの被告の主張は、67年当時の民主化運動が親北運動だと規定されていく社会の雰囲気において、入党の決心は容易なことではなかったと評価し、北朝鮮でも労働党への加入は理念的な透徹性が認められた人たちだけに許される事実から、その主張を受け入れられない」と明らかにした。

 裁判所は「被告人は北の理念に偏向した学術著書と寄稿を通じて、韓国内の主体思想に理論的な土台を提供して、無条件的な親北朝鮮勢力の育成に寄与した」とし、「学問と良心の自由も、その内容が外部に表現される時には、安保と秩序維持などのために制限される」と指摘して、彼の「内在的接近法」を親北朝鮮的な偏向と規定した。

 しかし南北・海外同胞学術会議開催のために北朝鮮に入国したことへの国家保安法上の潜入・脱出および会合・通信容疑に対しては、ソン教授が学術会議で北朝鮮の立場だけを代弁しておらず、また主導的な位置にいたのでもないし、適法的な行事だった点――などを勘案して無罪を宣告した。

 またソン教授が97年7月、ベルリンの北朝鮮利益代表部で金日成主席の3周忌に際して黙とうしたとの容疑は、ソン教授がドイツ国籍をもっており、また国外での犯行問題なので国家保安法上は無罪で、89年から99年にかけてソン教授が、国内の親北朝鮮勢力の北朝鮮への密入国に決定的な契機を提供したとの容疑も、証拠不十分で無罪と判断した。

 裁判所は量刑と関連して、「被告人が南北分断の生けにえとして評価される側面もあり、処罰の危険をおかしてまでも帰国した点、学問的な成果を韓国社会が包容すべきだとの主張もあるが、労働党加入の事実を決して軽く判断できず、自身の行為を否認で一貫し、偏向的な学術活動に関して謝罪と反省の意思がない」と、重刑判決の理由を明らかにした。

時代錯誤的で冷戦思考に基づく「二重基準の判決」

ソン教授の弁護団は、今回の判決に対して「二重基準の判決」であり、南北和解時代に逆行する過度な判決だとしながら、ただちに控訴すると明らかにした。

 政治局員候補が名誉職だという点を認めながら重刑を宣告し、一方で学術会議を主導したとの容疑は無罪と認定しながら学術活動は有罪だとしている、というのだ。

 一方、 「国家保安法廃止のための市民のつどい」は同日声明を発表して、重刑判決は「時代の変化に適応できない裁判所の時代錯誤的で冷戦的な判決だ」と糾弾した。

 声明はさらに、裁判所は国家保安法が人権と民主主義を抑圧し、平和統一の大きな障害物になっているとの点を認めておらず、ソン教授が政治局員候補に選任されたと主張する検察の論理をそっくり受け入れたことが問題だ、と指摘した。

 今回の判決は6・15時代に逆行する判決だというのが、弁護団と社会団体の指摘である。時代に逆行する国家保安法の適用が結局、「ダブルスタンダード」でソン教授に重刑を宣告したというのだ。

  特にソン教授が学問的方法論として定立した「内在的接近法」に親北朝鮮の偏向した学問活動で、彼の著述活動が国家保安法上の反国家団体構成の指導的任務にあたるとの裁判所の判断根拠は、6・15共同宣言発表後の南北和解と協力の雰囲気に悪影響を及ぼすとの憂慮を生んでいる。

 この判決は、現在国家保安法違反容疑で裁判中の統一連帯ミン・ギョンウ事務局長の裁判はもちろん、民間統一運動にも少なからぬ影響を及ぼすだろう。

 

(韓国人権委員会 ホームページ)

韓国人権委員会の申請処理事例(2)

韓国人権委員会の申請処理事例を数回に分けて掲載します。(人権センター)

●教育行政情報システム関連の勧告 03.5.12

教育行政情報システムの27の開発領域のうち、@私生活の秘密を侵害する素地がある教務・学事、進入学および保健領域は入力対象から除外し、A教員の人事記録で人権侵害の素地のある項目は、入力項目から除外するようにし、「教育公務員人事記録および人事事務処理規則」を制定する。学校総合情報システムの保安体系強化措置を講ずるよう勧告。

●期間制(*臨時)教員雇用の差別 02・3・24

期間制教員が正規の教員と同一の業務をしているのに、休暇期間中の報酬、年休、退職金などにおいて、正規教員に比べて不利な待遇なのは、平等権侵害の差別行為と認定。差別行為の中止と制度改善を該当中学校長、教育長、教育部長官に勧告

 

お知らせ 次号は4月17日に発行する予定です。