第232号 2003年 11月 15日(隔週発刊)


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

271-0051 松戸市馬橋1800番地 三和ビル

電話 047309-5511 FAX 047348-6666

<メニュー> <バックナンバー>


(民主労総HP 11/13)

68市民・社会団体「ノ政権の労働政策の改善を促す」

大統領官邸前での記者会見文(要旨)

1.最近の相次ぐ労働者の抗議自殺によって、キム・ジュイック韓進重工業支部長とイ・ヨンソック非正規職労組光州本部長が亡くなり、イ・ヘナム世源テック支部長は生死の境をさまよっている。われわれは、どうして彼らがみずから命を放棄する決断をしなければならなかったのか、何がこの極端な選択を強要したのかを、大統領に真剣に問おうと思う。

2.今回再登場した「損害賠償請求と仮差し押さえ」問題は、誤った法と制度に起因する。現行の「労働組合および労働関係調整法」と裁判所の解釈は、争議対象を利益紛争にのみ限定し、共益事業場と必須共益事業場に対しては緊急調整や職権仲裁などで決定的な制限を加えて、「不法ストライキ」が量産されるようにしている。これを悪用した使用者は、「損害賠償請求と仮差し押さえ」を労働組合弾圧の手段として乱用しており、損害賠償請求額も560億1871万3072ウォン、仮差し押さえ金額は790億9347万2150ウォンにのぼる。「不法スト」の口実になる労組法上の諸条項を改正して、自由な団体行動権を保障して争議行為に対する民・刑事上の兔責範囲を拡大する改善が要求される。

3.非正規労働者は全体労働者の57%(780万人)にのぼるほどに深刻な状況だ。盧政権は、非正規労働の乱用防止と差別撤廃を公約にしたが、いまだに実質的な法制度、改善方案は出ていない。9月4日に労働部が大統領に報告した『労使関係改革方向』の対策は、差別禁止の核心である「同一労働・同一賃金」原則にさえ言及しなかった。また期間労働者制度の乱用を防止は、2年間は自由に使用できるが解雇を制限するとして、使用者が新たな期間労働者に入れ替えれば法の網を逃れられるようにしている。特に深刻なのは、「派遣労働」の許容範囲を大幅に許容したことだ。

4.盧武鉉政権の労働政策全般にも失望と憂慮を隠せない。盧政権が社会統合的な労使関係を主唱した時、多くの人々が期待と希望をいだいた。貧富の格差が解消されて差別が禁止されるなら、家賃と教育費、医療費などが安定し、産業現場で労使間の極端な対立も、社会の分裂現象も減少すると信じたからだ。しかし、盧大統領は実際には、自分が立てた社会統合措置を実行に移して忍耐強く対話を追求するよりも、労働者を追い詰めることに力を注ぎ、「焼身を闘争の手段にする時代は終わった」との不必要で不適切な言辞で状況を悪化させている。盧大統領は、労働者ら国民を呪う前に、生の現場と隔たった自身の時局認識と貧困な哲学、政府の労働政策後退の実態を真しに省察しなければならない。

5.われわれ市民・社会団体は、盧武鉉大統領が国政の最高責任者として解決意志を持って大きな立場で懸案問題を積極的に解決して行くべきだと考え、次のように要求する。

第1、貧富の格差解消、差別の禁止、住宅医療教育など庶民生活安定に必要な社会統合政策を一貫して推進すること。

第2、損害賠償請求と仮差し押さえの原因を除去して乱用を防止する、労働法など関係法を大幅に改正すること。これとは別に、まず公共部門での損害賠償請求を取下げる格別の措置を通じて、政府の改善意志を明らかにすること。

第3、間に合わせ策ではなく、非正規労働者の拡散と差別を根本的にはばむ法案を1日も速く準備して立法手続きを踏むこと。すぐにでも公共部門の常時的業務への非正規職使用を制限して、差別を撤廃する果敢な措置を取ること。

第4、大統領は不適切な言辞を慎んで、忍耐心を持って労働界と対話を再開すること。

2003.11.13

経実連、参与連帯、民主労総、民主労働党、環境運動連合、民家協、人権運動サランバン、民弁、民芸総、韓国女性団体連合、韓国女性団体協議会など68社会・市民団体

 

(今日の人権だより 第2454号 11/13)

テロ防止法「3党共同案」を国会に提出

本質的な問題を放置し、人種主義的発想も依然

 国会情報委員会のホン・ジュンピョ(ハンナラ党)、ハム・スンフィ(民主党)、キム・ドッキュ(ウリ党)議員が10日、新しいテロ防止法修正案を共同で作成して情報委に提出した事実が確認された。

 今回の「3党連合案」は、8月に国情院との党政協議をへて民主党が発議したテロ防止法修正案と、内容面では格段の差はないが、3党が共同で提出したために、情報委の審議を通過する可能性が一層高くなった。早ければ14日午前10時に情報委の会議が開かれる。

 今回の3党共同案と、8月の修正案とで変化した点を見いだすのは困難だ。国情院傘下に対テロセンターを設置することで、依然として同院の権限強化を狙っているだけでなく、「対テロ活動」をはじめ、不明確な概念で恣(し)意的な権力行使ができるようにした条項もそのままになっている。またテロ予防を口実に、外国人に対する恣意的な監視と出入国規制などができるようにした条項と、市民の通信を恣意的に盗聴ができるようにした条項もまったく手がつけられていない。

 一方、今回の案で変わった点は△対テロセンターの権限のうちで「対テロ活動の企画・指導と調整」において、「指導」との単語を削除し、△施設保護と警備のために動員された軍兵力に対する指揮・命令権を国防部長官に付与し、△テロに関連した虚偽申告・流布などへの対テロセンター職員の捜査権を削除――程度に過ぎない。この間、国内外の人権団体はもちろん、政府内からでさえ批判を受けて来た条項に手をつけた。

 しかし、これは国会通過をねらった「目くらまし」との批判が提起されている。人権運動サランバンのイ・ジュヨン常任活動家は「『指導』との単語が削除されたからといって、圧倒的な情報力を誇る『陰の権力機関』の国情院が、他の国家機関を事実上指揮することは充分可能で、動員された軍兵力の指揮・命令権が国防長官にあるといっても、市民の日常生活のまっただなかに軍隊が現れるようになる事実になんの変化もない」と批判した。

 さらに今回の3党共同案は、発議の理由として「北朝鮮・イスラムなど国内外のテロの脅威から国民の生命と財産・身体を保護する」と明らかに、旧態依然たる冷戦的認識と人種主義的偏見さえ現わしている。これは南北関係を冷戦時代へと回帰させるだけでなく、12億のイスラム教徒をすべてテロ分子と規定するあらたな人種主義的発想だ。