第211号 2003年 5月 10日


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(今日の人権だより 第2326号 4/30)

「良心囚釈放は1%に満たぬ水準だった」

1164人は依然として監獄に・・・人権団体、選別赦免を糾弾

ノ・ムヒョン政権のもとでの初の良心囚の赦免は、失望する水準にとどまった。

政府は4月29日、国務会議の議決をへて29日付で公安・労働事犯1424人に「新政府発足記念」の特別赦免・復権を実施すると発表した。これによって収監中の既決良心囚13人が残余刑の執行免除で29日午後5時ごろ、全国の刑務所から釈放され自由を取り戻した。釈放された良心囚には民革党事件のキム・ギョンファン、イム・テヨル、ハ・ヨンオック氏、肝硬変で獄中闘病生活をしてきた嶺南委員会事件のパク・ギョンスン氏、韓総連6期議長のソン・ジュニョック氏らが含まれた。

欧米留学生スパイ事件のカン・ヨンジュ氏、外国人スパイ事件のチョン・スイル氏ら仮釈放または刑執行停止で釈放された39人は、残刑が免除されて復権され、チョン・ガップドック現代自動車労組委員長ら宣告猶予または執行猶予状態にあった916人は刑宣告失効・復権された。またタン・ビョンホ民主労総委員長とムン・ギュヒョン神父ら公民権の行使を制限されて来た432人も復権された。

しかし、「大々的な」赦免の内容をみると、極めて失望させられる「選別」赦免に過ぎないというのが、大多数の人権団体の評価だ。なによりも釈放された良心囚はわずか13人にとどまる一方、時局事件関連の未決囚32人と兵役拒否の良心囚1132人は依然として冷たい監獄のなかにいるからだ。また韓総連関連の指名手配者176人を始めとする手配者への手配解除も今回の赦免から除外された。

 赦免・復権の内容が発表されると、カトリック人権委員会など16の人権団体がただちに声明を発表して、すべての良心囚の釈放と指名手配措置解除を要求した。<国家保安法廃止のための市民の集い>も「今回の赦免は期待に大きく及ばない」と評価し、民家協は「不完全な赦免」と評価した。

特に<良心に基づく兵役拒否と代替服務制度改善のための連帯会議>共同執行委員長のハン・ホング教授は「わずか1%に満たない良心囚が釈放されただけ」と述べながら、「政府は1千人を超える良心囚を監獄に閉じこめている現実を恥じなければならない」と指摘した。ハン教授は特に「『赦免は法務部所管』としながら返答を回避してきた国防部が、兵役拒否の良心囚の赦免に強く反対した」とし、「国防部は人権団体を欺まんする行為をただちに中断しろ」と要求した。

刑期の半分を満たせなかったと、既決囚で唯一釈放されなかったイ・ソッキ氏(民革党事件)の姉のイ・ギョンジン氏の怒りはより大きかった。イ氏は「ガン闘病中の80歳の老母が、死ぬ前に息子に暖かい食事を食べさせたいと冷たい路上で1人デモまでして来た。ソッキを赦免から除外したのは法適用の公平性以上に人倫にもとる行為」と泣き叫んだ。

特にキム・ギョンス法務部検察3課長が「この間、『判決文インクが乾く前に釈放する』との批判を受けて来た」としてイ・ソッキ氏らを除外した理由を明らかにしたとの消息を聞いたイ氏は、「すでに11か月もひどい獄中生活をしている良心囚や生活まで破たんした家族らに判決文のインクをうんぬんするとは何ごとか」と怒った。

最近、子宮頚部ガンの判定を受けて周囲を嘆かせたハ・ヨンオック氏の妻のキム・ソジュン氏も「4年ぶりに父さんに会った2歳の娘のはしゃぎようがうれしい」と述べながらも、「夫が出てこられなかった方々を思うと心苦しい」と感慨を吐露した。キム氏は「先に出た人々が継続して良心囚釈放運動をして行く」とつけ加えた。

 

(今日の人権だより 第2326号 4/30)

「韓総連への公安弾圧はもうこれまでに」

民弁が問題解決のための公開懇談会

国家保安法の最大被害者になってしまった韓総連の問題を必ず解決しなければならないとの声がますます高まっている。

 5月7日午後2時、民主社会のための弁護士の集い(民弁、チェ・ビョンモ会長)は国会憲政記念館で「韓総連問題解決のための公開懇談会」を開催した。懇談会には韓総連所属学生らの弁論を引き受けてきた弁護士をはじめ、6日からヨンセ大表門で指名手配解除を要求してハンストを展開してきた韓総連手配者の家族ら約70人が参加した。

 基調報告をしたパク・ヨンチョル弁護士は「韓国憲法の自由民主主義理念によれば、暴力行為など実定法に違反した行為ではなく、思想と良心の自由、表現の自由に基づく行為は容認される。韓国社会が韓総連を受け入れなければならない」と強調した。パク弁護士はまた、韓総連問題の根本的な解決のためには国家保安法の改廃がなされなければならないと主張しながら、新政府は国家保安法上の利敵団体という過去の論理から脱して、韓総連問題に前向きに接近しなければならない、と指摘した。

 討論者に参加した人権運動サランバンのパク・レグン氏は「韓総連が利敵団体に規定された97年はキム・ヨンサム政権末期で、各種の不正と大統領選挙資金公開要求などで政権が追い込まれていた時期だった」と、国家保安法による韓総連への利敵団体規定は、権力者らの既得権維持のために選択された突破口だった、と指摘した。

一方、民主党のソン・ヨンギル議員が韓総連問題の解決法として「韓総連が発展的に解体して名前を変えてしまえば良い」と提示すると、民主労働党のチェ・ギュヨップ自主統一委員長は「韓総連が名前を変えてすむ問題ではなく、根本的に国家保安法が廃止されなければならない」と批判した。

 特にこの日の懇談会には法務部のキム・ギョンス法務部検察第3課長が参加し、質問が集中した。しかし、キム課長は公安論理で一貫した答弁をくり返して傍聴者の怒りを買った。キム課長は「韓総連が大韓民国を米国の植民地と見ているのは大韓民国を否定していることであり、北朝鮮との直接的な連係は明らかにできないが韓総連の綱領、規約、総路線などを見ると、北朝鮮の主張と一致することが多く、北朝鮮と一致した用語を使うことは偶然ではない」と述べ、「公安当局の対応がなかったら韓総連がどこまで行ったかを考えてみよう」との発言までもためらわなかった。また「北朝鮮は50年前に戦争を起こし、依然として対南赤化路線を固守している」とし、北朝鮮の対南認識と共通する韓総連への国家保安法適用は当然だとの立場を明らかにした。

キム課長は「手配者者問題を人道的な次元で考慮はするが、個別事件別に暴力容疑者や核心主導者を処罰せざるをえない」と、これまでの主張をくり返した。

この懇談会は、問題は結局、検察の旧時代的な公安論理にあることを再確認させた。