第209号 2003年 4月 19日


韓 国 人 権 ニュース

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 (今日の人権だより 第2312号 4/10)

代替立法は国家保安法の再立法にすぎない

人権団体、法務部に思想・表現の自由に関する意見書を提出

タサン人権センター、人権運動サランバンなど18の人権団体は11日、カン・グムシル法務部長官に「思想・良心・表現の自由の保障に関する意見書」を提出した。今回の意見書は、最近カン法務部長官が、国家保安法の代替立法と中心幹部を除外した韓国大学総学生会連合(韓総連)関連指名手配者の非拘束捜査方針などを明らかにしたことに関連、新政府の人権政策が誤った方向に進んでいるとの憂慮から提出された。

 人権団体は意見書で、カン法務部長官が明らかにした「良心囚の赦免・復権と順法誓約書の廃止、労働部門と公安部門の分離方針」には肯定的な評価をしながらも、国家保安法の代替立法と韓総連関連の指名手配者への選別非拘束捜査、良心にもとづく兵役拒否者の赦免除外方針には、「新政府が確固として樹立すべき人権の原則とはほど遠い認識だ」として批判した。

 特に、国家保安法の代替立法をするとの発想自体を改めるように促した。人権団体は「過去の政権も国家保安法改廃論議が起こるたびに代替立法をうんぬんし、キム・デジュン政権は具体的な改正案を作ったが、これらはすべて国家権力が恣(し)意的に個人の思想・良心を裁断して処罰できるようにしているという点において、国家保安法と大同小異だった」と指摘した。続けて「国連の自由権委員会(人権理事会)も韓国の特殊状況が過大評価されてはならないし、一般の刑法でも国家安保を害する行為を充分に取り締まることができると指摘した」として、代替立法ではなく、国家保安法の廃止を促した。

人権団体はまた、過去の政権が保守・公安勢力の顔色をうかがうことに汲々として、国家保安法の一部条項の改正さえ実現できなかった歴史を想起させながら、保守・公安勢力に明確な態度を取ることを促した。

人権運動サランバンのパク・レグン氏は「保守・公安勢力が国家保安法の廃止に反対するのは、この法律で抑圧的な秩序を維持して既得権を守るため」と述べながら、「政府は国家保安法をめぐる異見を折衷するのではなく、徹底的に人権の原則と観点に従わなければならない」と強調した。

今回の意見書には国家保安法だけでなく良心囚、韓総連利敵規定、保安観察法など、韓国社会の思想・良心の自由を抑圧してきた法・制度の改革要求も含まれた。人権団体は、このような抑圧装置たちが除去されない限り、思想・良心・表現の自由はもちろん民主主義を実現できないことを指摘して、新政府が過去の政権の過ちをくり返さないよう促した。

 

(今日の人権だより 第2317号 4/17)

北朝鮮への国連人権委の非難決議、政治的な動機が色濃い

海外のマスコミ・人権団体が疑問を提起

16日午後4時(ジュネーブ現地時間)、国連人権委員会で北朝鮮の人権問題に関連する非難決議が採択された。

 EU(ヨーロッパ連合)の主導で上程された今回の決議案は、53の国連人権委員国による賛否投票の結果、賛成28か国、反対10か国、棄権14か国で採択された。韓国政府は当初、EUとの協議過程で決議案の提出には反対しないとの立場だったが、票決には参加しなかった。賛成はイギリス、フランス、ドイツなどEU所属の国と米国、日本、カナダなどが布陣し、反対には中国、キューバ、ロシア、シリアなどが含まれた。国連人権委で北朝鮮への人権関連の非難決議案が採択されたのは今回が初めてだ。

 前文と7項目で構成された今回の決議案には、△拷問、強制労働、北脱出者の処罰など、北朝鮮の人権問題に対する深刻な憂慮を表明する一方、 △国連人権高等弁務官が北朝鮮の人権問題解決のために、北朝鮮と直接話し合うこと、△北朝鮮政府は食糧支援を目的にする人道主義団体の自由な接近と移動を許容すること、△外国人拉致問題を透明に解決すること、△国際労働基準を守ること、などを促す内容が含まれた。

 一方、ジュネーブの人権団体「パックスローマナ」のイ・ソンフン事務局長によると、票決に先立って中国代表が「なぜ弱小国に対する決議案だけが継続して提出されるか」との疑問を提起しながら、北朝鮮が人権報告書を提出するなど継続して努力して来たにもかかわらず、このような決議案が採択されるのは朝鮮半島の緊張緩和にとっても決して助けにならないとの反対発言をしたという。

シリア代表もやはり、「今回の決議案は米国が『悪の枢軸』を正当化するための措置として推進されたもの」と述べながら反対を表明したとイ事務局長は伝えた。

 またインド代表は「このような『政治的』性格の決議案には同意できないし、不当な内政干渉に抗議する意味で棄権する」と明らかにした。北朝鮮の代表は、今後の北朝鮮とEU間の関係悪化を憂慮する発言を述べたという。

イ事務局長は、「ジュネーブ現地の海外マスコミと人権団体の大部分は『どうしていま北朝鮮なのか』という疑惑の眼差しを向けている」と伝えた。

毎年、中国の人権を非難する決議案の採択を推進して来た米国が、今年は対中国決議案を提出しない反面、EUが北朝鮮に対する人権非難決議案を推進し、米国がこれを後押しのは、明白な政治的意図が背景にあるというのが、大部分の海外マスコミと人権団体の観測である。

統一連帯が非難論評

 「6・15南北共同宣言実現と韓半島の平和のための統一連帯」は17日、非難論評を発表した。論評は、「今回の国連人権委員会が米国の不法なイラク侵略の最中に開かれたのに、それに顔をそむけている」と指摘し、「主権も国際法も徹底的に無視したまま2300万人のイラク民衆の生存権を無残に踏みにじった米国の侵略戦争ほど残酷な人権侵害は、世界のどこにも存在しない」と非難した。また論評は「今回の決議の根拠とされている北朝鮮の人権状況報告は、一部の脱北者と米国の情報機関など、極めて制限された情報が、米国の議会報告書などを通して拡大再生産されたもの」と指摘した。