第208号 2003年 4月 12日


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(今日の人権だより 第2312号 4/10)

米国内でくりひろげられる「人権との戦争」

基本的権利がおびやかされ、社会が荒廃

侵略戦争の開始後、米軍はイラクでの住民虐殺のみならず、外信記者らの宿舎と衛星放送アルジャジーラの支局まで爆撃するなど、人権を無残に踏みにじっている。これとともに米国は、国内でもうもうひとつの戦争、「人権との戦争」を遂行している。

◎ますます暴力化する警察

4月7日、カリフォルニア州オークランド警察が反戦デモ隊に向けてゴム弾と催涙弾を発射する蛮行をほしいままにした。AP通信によると、オークランド港の軍需物資を運ぶ船舶会社前でプラカードを掲げて平和的にデモをしていた人々に対して、警察がゴム弾を発砲、デモ隊の10人とこれを見ていた港湾労働者6人が重傷を負った。はなはだしくは数十台のオートバイに乗った警察が逃げるデモ群衆に向けて催涙ガスと破片が噴出するリンゴ弾を発射した。当日のデモの対象になったStevedoring Services of Americaという会社は、最近イラクのウムカスル港への運航契約で480万ドルを稼いだという。

 また8日付のアルジャジーラ英語版によると、サンフランシスコ連邦庁舎前でデモをした18人が拘禁され、戦争勃発後の2日間に同市で逮捕された人員は約2千人に達する。7日にはニューヨークでも軍需産業のカーライル社前で「カーライルは戦争で肥え太っている」と叫んでデモをした数十人が逮捕された。

◎口かせがかけられた表現の自由

 女性カントリーグループのデキシー・チックスに続いて、反戦発言をしたロックバンドのパールジャムも激しい非難の標的となっている。リードボーカルのエディ・ベドは1日、デンバーで開かれたコンサートで反戦アピールをして「ブッシュはリーダーでなくテキサスリーガー」という内容の「Riot Act」を歌った後、マイクスタンドにブッシュ大統領の仮面をつけるパフォーマンスをした。これに怒った数十人のファンが退場し、その後パールジャムのホームページは非難と不売運動を扇動する文で埋められた。自分を「誇らしいヤンキー」と名乗るある米国人は、「黙って歌だけ歌っていろ。そうしないなら、スーザン・サランドンやショーン・ペンと一緒にこの国から出て行け」との暴言を書き連ねた。

 先月ブッシュを批判したとの理由で不買運動と放送中断、CDの踏み潰しなど破壊パフォーマンスの対象になったデキシー・チックスは、今もおびただしい脅迫メールに苦しんでいる。来月1日にグリーンビルで予定されていたコンサートも、それに抗議する集会が行われるとの情報で急きょキャンセルせざるをえなかったし、発言の主人公ナタリー・メインは拳銃を携帯せざるをえないほど身近に脅威を感じているという。

◎軍事裁判を前にした米軍兵役拒否者

イラク侵攻に反対して最初に良心にもとづく兵役拒否を宣言したある米軍人が軍事裁判を待っている。

スティプン・イーグル・パンクという名前の20歳の青年は、「この戦争は不道徳で偽善的だ」と4月1日、軍服務中断を宣言した。大学入学金の支援を受けるために昨年末軍隊を志願したパンク氏は、12週間の訓練を受ける間、毎日「殺せ!殺せ!!」と叫ぶよう強要されたと証言した。

◎下院に提出された国連脱退法案

 強硬派の新自由主義市場論者のロン・フォール下院議員(自由党)が先月13日、「国連は米国民を拘束する法律を作るいかなる権限もない」として国連脱退のための「2003年米主権回復法」(案)を提出した。この法案は1999年にも提出されて通過しなかったが、今回また提出されて下院国際関係委員会の審議に付されている状態だ。現在の米国の国連に対する態度を考えると、この法案の提出がハプニングで終わるとの保障はない。

 

(今日の人権だより 第2311号 4/9)

元老・各界人士550人、良心囚全員の釈放をうながす

政治指名手配の解除も、それが民主主義の試金石

早ければ今月中旬ごろには新政府の良心囚の特別赦免があると予想されているなかで、社会の元老と各界人士が良心囚の全員釈放と政治指名手配の全面解除をうながした。

 8日午前11時、カトリック正義具現司祭団のハム・セウン神父、民主労総のユ・ドクサン副委員長、全国民衆連帯のオ・ジョンニョル共同代表、環境運動連合のチェ・ヨル共同代表ら約60人は記者会見を開き、良心囚の全員釈放をうながす共同声明を発表した。この声明には社会元老と各界人士550人が参加した。

 彼らは声明で「民主主義と人権が伸張する新しい社会は、長い歴史の痛みをいやすことから始まる」として、「過去の誤った法と過度な適用に苦しむ良心囚の釈放と政治指名手配の解除は、民主主義の進展をはかる試金石になる」と主張した。

 4月3日現在、民家協の統計によると、良心囚は未決囚をいれて全部で45人、政治指名手配者は176人にのぼる。しかし、この良心囚名簿には1100人を超える宗教的・良心にもとづく兵役拒否者はふくまれていない。

 一方、良心囚赦免とともに国家保安法の行方も注目されている。民家協の集計によると、良心囚の約50%、政治指名手配者の大部分が国家保安法によって収監、あるいは手配中の状態にあるとの事実は、国家保安法の廃止なしには「良心囚と政治指名手配者のいない社会」の実現が遠いことを証明している。

 しかし、最近国家保安法の「廃止ではなく代替立法」の立場を明らかにしたカン・グムシル法務部長官の発言は、新政府のもとでも良心囚と政治指名手配者が継続して量産されるとの憂慮を生んでいる。クォン・オホン民家協良心囚後援会長は、「類似法の立法は、もう一つの人権侵害をもたらすだけ」と述べながら、「今回の良心囚赦免と政治指名手配の解除を通じて、確実に国家保安法廃止の契機が準備されなければならない」と強調した。