第205号 2003年 3月 22日


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(人権センター 3/22)

イラク侵攻反対、韓国で反戦平和の闘い高揚 

教授、芸能人、医師らにも拡散

ブッシュ政権のイラク侵攻に反対し、韓国政府の支持と支援を糾弾する闘いが各界各層へと拡散している。

攻撃が始まった20日夜、ソウル光化門で「反戦平和キャンドル集会」が約5千人の参加で開かれた。あいさつに立ったオ・ジョンニョル全国連合常任議長は「イラク戦争は米国にひざを屈しないと『悪』とされ、攻撃されることを克明に示した。米国は世界で最も石油があるイラクから侵攻を開始した。次はまさに朝鮮半島だ」と述べた。オ議長は「政府がイラクに派兵するというが、ブッシュ政権が北の核危機を口実に戦争を始めたらどうするのか」と政府を非難した。

参加者らは多数のプラカードで反戦平和を主張した。約600の市民社会団体で構成する「戦争反対平和実現共同実践」と女子中学生汎国民対策委は、今後毎日キャンドル集会を開くことを明らかにした。

 イラク戦開始2日目の21日、教授、芸能人、漢方医師ら各界各層からも反戦の声が挙がった。全国教授労組所属の教授810人は時局宣言を通じて、「政府が韓米同盟の名において、米国の名分のない戦争に国民を動員するのは道徳的、政治的に非難を受けて当然だ」と主張した。

 参与連帯がイラク戦派兵方針に抗議して始めた大統領府前の1人デモ5日目には、歌手シン・ヘチョル氏と映画俳優のパン・ウンジン氏、美術評論家のパン・イジョン氏らがリレー式に参加し、注目を集めた。シン・ヘチョル氏は「政府の派兵方針を聞いてどんなことをしてでも反対意志を表すべきだと思い、1人デモに参加した」と話した。

 「真の医療実現青年漢方医師会」も記者会見を開き、イラクの子供たちに医薬品を送るため、漢方医学界関係者を対象に署名運動を始めると明らかにした。

 経実連、キリスト教倫理実践運動などの4つの市民社会団体もセジョン文化会館前で「米国のイラク侵攻に反対する市民大会」を開いた。

 一方、韓国政府は21日、ノ・ムヒョン大統領主宰の臨時閣議と国防委員会全体会議を開き、建設工兵および医療支援部隊派遣同意案を通過させた。これを受けて与野党は、 25日ごろ臨時国会本会議を招集し、イラク戦支援部隊派遣同意案を処理することにした。

ギャラップが18日、全国20歳以上の成人1000人を対象に電話調査を行った結果によると、工兵や医療輸送など韓国軍の「非戦闘兵」派兵に対し、54.2%が「賛成」と答え、37%「反対」と回答した。年齢・性別では、20代の男性を除くすべての性別年齢層で「賛成」が「反対」を上回った。しかし戦闘兵の派兵については「反対」が75.6%で、「賛成」の16.1%を大きく上回った。

また、米国のイラク攻撃に関する質問には「反対」が81.4%、「賛成」が9.7%となり、戦争反対世論が圧倒的に多かった。

 

(今日の人権だより 第2298号 3/20)

ブッシュの攻撃は大量虐殺を予告している

イラク人の半分は子ども…韓国政府の虐殺加担中断の要求強まる

 米国がイラク侵攻を開始したなかで、今回の戦争がイラク民衆の大規模虐殺につながるとのこの間の憂慮が現実化し、目の前の現実に近付くと反戦平和の声が燎原の火のように燃え広がっている。

民主労働党は19日午前、緊急記者会見を開いて「イラク戦が始まれば数百万人の民間人が殺傷されることは火を見るより明らか」だとし、「ノ・ムヒョン大統領が米国のイラク戦争を支持して軍隊を派遣するのは、幾多のイラク民衆を抹殺して世界の秩序を破壊する米国の侵略行為に同調すること」と述べ、イラク侵攻支持と韓国軍派兵方針の撤回を要求した。民主労総も声明を通じて「米国のイラク侵攻は罪のないイラク民衆を殺りくする前代未聞の虐殺劇にほかならない」と、米国の侵攻の動きを強く糾弾した。

 また同日発表された「朝鮮戦争前後の民間人虐殺真相究明統合特別法制定を促す1千人宣言」の参加者らは、「大規模な民間人の犠牲を生み出すイラク攻撃に反対する」との内容の宣言をあわせて発表した。インターネット上でも糾弾メッセージが相次いでいる。

 彼らが断言する戦争と大量虐殺の不可欠関係は、数多くの戦争の経験ですでに立証されている。91年の湾岸戦争当時、米軍が遂行した「砂漠の暴風作戦をもじった「砂漠の爆風」という本は、当時米軍の無差別爆撃と開戦以後に病気や飢えで死亡した民間人の数が数十万人に達すると告発する。また同年2月13日に米軍がバグダッドのある空襲待避所に落とした爆弾は、民間人400余人の命を奪い、そのうちの300人余は子どもだった。

 最近のアフガン戦争でも、民間人の死亡者数はすでに1万3千余人に達しており、アルカイダとタリバンの残党を掃討するとの名目で、いまだにアフガンに駐屯している7千余人の米軍の作戦遂行中に犠牲になった民間人の数はさらに増えているのが実情だ。最近イギリスBBCの特派員は、民間人居住地域に対する米軍の爆撃で13人が命を失ったと報道した。

 このように戦争で非武装の民間人らが大量に犠牲になる理由は、敵の戦力を破壊して「潜在的な敵」を掃討するための体系的軍事作戦の一環として、非軍事施設や民間人居住地域にまで無差別爆撃が加えられるからだ。これは朝鮮戦争前後の大規模な民間人虐殺の経験がすでに物語ってくれている。結局、「イラク人に人権と民主主義をもたらす」との名分で始められた今回の戦争は、虐殺だけを予告している。

 それにも関わらず19日、韓国政府は多数の人権・社会団体と市民らの派兵撤回要求に顔をそむけたまま5−600人規模のイラク派兵準備を本格化し、ハンナラ党と民主党も派兵に積極的な立場を鮮明にした。はなはだしくはカン・ヨンフン前国務総理とファン・ジャンヨップ北朝鮮脱出者同志会名誉会長ら守旧勢力らが集まって結成した「自由統一国民大会」は戦闘兵の派兵まで促した。このような行為は大規模な民間人虐殺を教唆する行為にほかならない。

 シャルロッ・エルドブランというあるイラク人少女は、3月5日付米週刊誌に掲載した反戦アピールでこう述べた。「イラクに住んでいる2400万人のうち半分以上が15歳未満の子どもたちだということを知っていますか。私がまさに、あなたたちが殺そうとするその子どもなのです」

 韓国政府と国会は、それでもこの子どもらから、命と未来を奪い取ろうとするのか。