第202号 2003年 3月 1日


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(今日の人権だより 第2284号 2/27)

<深層分析・海外派兵>平和は軍事力ではやって来ない

全世界の強い抗議にもかかわらず、米国はイラク侵略を強行すると脅迫している。米国の対イラク戦争に何の名分もないこと、そしてこれまでのどんな戦争よりも多数のイラク民衆に犠牲をもたらすだろうと、全世界の良心が厳しく警告している。しかし米国は、「独裁者を除去して民主主義を実現する」との名分で、無辜のイラク民衆をスケープゴート(いけにえの羊)にして、石油を奪い合う覇権争いをやめていない。

 こうしたなかで、米国の公式要請の前に、韓国政府がイラク派兵方針を出しているのは、実にあきれた話だ。2月10日、キム・ソクス総理は国会答弁で「開戦したなら支援兵力中心の派兵が行われるだろう」と述べ、韓国軍の参戦を既定事実化したことががある。

これに対して「韓国・イラク反戦平和チーム支援連帯」のヨム・チァングン氏は、「朝鮮半島では平和と統一を願うという韓国政府が、一方でイラクを侵略する戦争に韓国軍を送るというのは矛盾だ」と述べながら、政府の二重性を批判した。民主労働党も「政府は平和を破壊する米国の召使だという世界世論の嘲笑を甘受するというのか」と反問し、「米国の侵略戦争に対するどんな支援もありえない」と主張している。

結局、イラク派兵方針は韓国政府には、現在のイラク問題を平和的に解決しようとする意志がないことを示すものであり、中東地域の石油資源を掌握するための集団虐殺劇に、韓国の若者までも加担させて、帝国主義の傭兵にするということにほかならない。

 それだけでなく、戦争の名分がどうあろうと、軍事力で平和を守るという発想はきわめて危なっかしいものだ。先月、世界的な人権団体である「人権監視」(Human Rights Watch)が発表したシエラレオネ内戦に関する調査を見ても、平和は軍事的介入を通じては決して実現できないことがわかる。1991年から約10年間継続したシエラレオネ内戦は、最初は政権の不正腐敗から国を救うとの名分で始まった。しかし日を重ねるにしたがって、内戦はダイヤモンドの採掘権をめぐる紛争へと変質し、この過程で政府軍と反乱軍、はなはだしくは国連が派遣した国際平和維持軍によっても女性らへの強かんなどの性暴行と無惨な蛮行がほしいままにされた。また朝鮮戦争当時、平和のために来たという米軍によって行われた幾多の住民虐殺、ベトナム戦争に参戦した韓国軍によって行われた虐殺と強かんのような私たち自身の歴史的経験も、軍事力に依存して平和と人権を実現させるという発想が、さらに大きな暴力につながるほかないことを見せてくれている。

 現在米国はイラク侵略を承認する内容の新決議案を国連安全保障理事会に提出して、再度イラク民衆を戦争の恐怖へと追いこんでいる。今からでも韓国政府は、世界平和を脅かすだけでなく、集団虐殺と反人道的犯罪の直接的な被害者であるイラク民衆の命を破壊するイラク戦争に対する支援方針を撤回しなければならない。

 

(今日の人権だより 第2280号 2/22)

<論評>テグの地下鉄惨事で警戒すべきこと

公共交通機関の過度な効率性追求が背景に

地下鉄に身を任せた多くの人々が、二度と戻らぬ終着駅へと去っていった。2月18日、数百人の命を奪ったテグの地下鉄惨事は、私たちすべてに衝撃をあたえた。そのうえ、漆黒の闇の中で、最後まで助けを求め続けた犠牲者らの苦痛と叫びが、私たちすべての心に、たとえようのない切なさと悲しみをあたえ、それから脱するすべを知らない。

 今回の惨事が、容疑者であるキム某さんに原因があったことは、だれも否認できない事実だ。しかし、私たちはこのような惨たんたる結果をもたらした原因をキム氏個人に転嫁しようとする態度を、警戒しなければならない。過渡な效率性を追求し、大規模な人員削減をした「公企業経営合理化」で、結局は数千・数百の人々を乗せて走る列車を、たった1人の乗務員で責任を負わねばならない点、また事故に対処できる安全施設や体系がまったくなかったという点から、テグの地下鉄惨事は予測された悲劇だった。結局、国民の生命と安全に目をつむった資本と政府の利潤追求は、死者数百人の大惨事をもたらし、これが人災だとの批判は免れないことを克明に見せつけている。また根本的な対策の準備もなく、安全装置も飾り物に過ぎないことを立証した。

 同時に、今回の惨事に接する一部の人々の恐怖と怒りの矢が、「障害者集団」を標的としていることに憂慮を表明しなければならない。「障害者全員を社会から隔離しろ」「精神障害者を全員殺せ」などの薄気味悪い文が、インターネットの掲示板に登場している。2000年に発刊された犯罪白書の統計によると、障害または精神疾患者の犯罪率が非障害者よりも低いにもかかわらず、障害者を「社会から隔離すべき集団」と罵(ば)倒するのは、彼らに対する嫌悪と偏見に基づく社会的暴力に他ならない。

 このような「わい曲」をいっそうあおったのはマスコミだった。報道の過程で多くのマスコミが今回の惨事を「精神疾患者、障害者のゆがんだ復讐心に起因した不特定多数に向けられた犯罪」と報道した。またキム氏の顔を公開する一方、彼の家族までも追跡・報道するなどの人権侵害もためらわなかった。マスコミに問う。本当に障害者への嫌悪と偏見を助長して、障害者を社会に「生き埋め」にしようとするのか。

 

(中央日報 2/28)

日本への強制連行被害者41万人の名簿を公開

  在日本朝鮮人総連合会(総連)系の団体が30年以上にわたり米国、日本、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を往来しながら調査・作成した、日本植民地時代の強制連行被害者41万人の名簿が公開される。

  「民族の精気をたてる国会議員の会」(会長金希宣)は27日、日本の総連系の「朝鮮人強制連行真相調査団」から入手した徴用者ら強制連行者41万3407人の名前、本籍、当時の住所、死亡日時・場所、職業などの記録を28日に公開すると発表した。

  この名簿は、真相調査団が1970年から、米国・日本・北朝鮮の関連機関や文書保管所などの記録を調べて作成された。日本植民地時代の強制連行被害者は総750万人に達するとされ、現在まで国内で身元が公開されたのは48万人。金議員は「今回公開される41万人のうち30万人は、新たに人的事項が確認された被害者たち」と述べた。

  これには浮島丸の乗船者400人と、広島・長崎の原爆犠牲者およそ2800人も含まれている。特に太平洋戦争末期に強制連行者らが苛酷な労働条件に抗議して暴動を起こし、花岡鉱業所に連行された766人の名簿は、真相調査団が5回にわたるピョンヤン訪問で確認したという。