第186号 2002年 10月 26日


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(今日の人権だより 第2197号 10/18)

駐日韓国領事、 「朝鮮籍が一番嫌いだ」

韓国ではさげすみ、日本では脅迫…朝鮮籍同胞の二重の差別

1947年、日本政府は外国人登録令を施行し、在日同胞の国籍欄に「朝鮮」との「記号」を一括して記入した。当時、地球上には「朝鮮」という国がなかったため 「朝鮮籍」とは朝鮮国籍ではなく、朝鮮半島出身を示す言葉に過ぎなかった。現在、在日同胞で韓国籍は約52万人、日本籍は約54万人、朝鮮籍は約15万人だと推算されている。朝鮮籍の在日同胞のうちで一部は朝日国交正常化後に北朝鮮の国籍を取得することを希望しているが、多くは「朝鮮半島統一以前に南と北、どちらの国籍も取得しない」との立場だ。

 「どうして韓国国籍に変えないか」「夫が大学教授ならわかるはずだが、ばかみたいにどうして朝鮮籍に固執するのか」「朝鮮籍は共産主義の国籍ではないか」「北朝鮮は拉致をする国なのに、どうしてその国の国籍を持っているのか」「私は総連活動家じゃない朝鮮籍の人が一番嫌いだ」。9月27日、朝鮮籍で韓国に入国するために横浜の韓国領事館をたずねたP氏は、チェ領事のくどくどとした演説を聞かなければならなかった。

P氏が朝鮮籍なのは親の決定だったが、これまで朝鮮籍を変えなければならない特別な理由はなかった。P氏はまた、「韓国という国が生まれたことで朝鮮半島が2つの国に分かれた」とこれを認定できず、継続して朝鮮籍を維持していると述べた。したがって、「国籍を変えろ」というチェ領事の演説は、朝鮮籍のP氏にとっては、一種のさげすみだった。

 チェ領事の侮辱的な説教が1時間ほど続いた後にようやくP氏は、「旅行証明書」(臨時旅券)の発給を受けるための申込書を作成することができた。チェ領事がP氏に言った最後の言葉は、「2度目は発給しない」だった。結局、P氏の旅行証明書は10月2日に発給され、P氏は11日、生まれて初めて韓国の地を踏むことができた。

 これは11日から14日に行われた「在日朝鮮人のソウル訪問および青年姉妹縁組事業」の最終日、P氏から直接聞いた話だ。P氏ら在日同胞は韓国訪問期間中、西大門刑務所、ナヌムの家、統一広場、民族問題研究所などを訪ねて歴史意識を高めることができた。

 訪問事業を主催した在外同胞交流団体KIN(地球村同胞青年連帯)のソン・ドンジュ訪問企画団長は、「チェ領事の発言はこれまで朝鮮籍を維持して来た人のアイデンティティを深刻に脅かす人権侵害だ。歴史意識を欠いた無知が招いた結果」と強く非難した。続けてソン氏は、「朝鮮籍の同胞が韓国に入国する時には、だれもが国籍変更要求を受けている」とし、「韓国政府は国籍変更要求をただちに中断して自由往来を保障しなければならない」と主張した。

一方、P氏は朝日首脳会談後、日本人拉致問題で在日同胞が日常的な脅迫と暴言にさらされていると伝えた。朝鮮学校には今も日に数十件の脅迫電話がかかっており、はなはだしくは日本の警察が生徒の登下校路を警備するほどだという。しかし、日本政府次元の積極的な対策は発表されていない。これを「情けなく残念なことだ」というP氏の言葉は、韓国政府の国籍変更要求にもそのまま適用される言葉だった。

 

(今日の人権だより 第2199号 10/21)

「国家保安法撤廃」の垂れ幕を掲示不許可にしたのは違法

国家保安法の廃止を主張しているとの理由で垂れ幕を掲示ができないようにしたのは違法だとの判決が出た。

ソウル高裁第4特別部(イ・ホンフン裁判長)は4日、「チュンチョン市が、垂れ幕の内容が屋外広告物など管理法第5条第2項に規定した禁止広告物にあたるとの理由で、民主労総カンウォン本部の申告受理を拒否したことは違法だ」と判決した。

民主労総カンウォン本部は昨年2月、チュンチョン市が「反民族・反統一・反人権悪法の国家保安法を撤廃しろ」との内容が、「空中に対する危害防止を目的にした屋外広告物管理法の立法主旨と国家保安法に真正面から対立する内容で…禁止広告物に該当する」するとして、垂れ幕掲示の申告受理を拒否したことは不当だと、チュンチョン市を相手に申告受理の拒否を取り消す訴訟をした。(本ニュース154号参)

今回の判決は、1月に「国家安全保障のため表現の自由を制限することもできる」として民主労総カンウォン本部が提起した訴訟を棄却したチュンチョン地裁(イ・ホンソブ裁判長)の判決を逆転させた。今回の控訴審で高裁は、「憲法を含む法律の制定・改正および廃止に関して自身の意見を表明する行為は、国民の基本権である表現の自由に属するもの」とし、「国家保安法の廃止を主張する行為自体を…公益のために制限することは憲法上禁止された、言論・出版に対する許可や検閲を容認する結果をもたらすことになり許容できない」と明らかにした。

高裁はこの根拠として、「たとえ憲法第37条第2項が国民の自由と権利を国家安全保障・秩序維持または公共福利のため必要な場合に限り法律で制限できるように規定しているとしても、憲法第21条1項と2項によって、言論・出版の自由に対しては許可・検閲を手段にした制限だけは法律としても許容されない」との憲法裁判所の決定(96・10・4宣告)を引用した。

また、高裁は広告物の内容で表示できない禁止事項を規定している屋外広告物管理法第5条第2項と関連し、「言論・出版に対する事前許可・検閲を許容する結果をもたらさないようにするため、広告物の表現が外観上、明白にその条項が禁止する内容を表示している時にだけ、広告物の表示・設置を不許可するか申告不受理にできる理由」になると強調した。続けて高裁は、この事件の垂れ幕の内容は、このような事項にあたらないと明らかにした。

屋外広告物管理法第5条第2項は、△犯罪行為を正当化したり残忍に表現する△いん乱または退廃的な内容などで美風良俗を害する憂慮がある△青少年の保護・善導を阻害する憂慮がある△その他法令の規定に違反する――などを内容とする広告物を禁止している。

 

(東亜日報 10/24)

人権委、障害者を6時間も足止めした警官に謝罪を勧告

国家人権委員会は23日、今年4月に大統領府前で1人デモをした重度身体障害者(脳性マヒ1級)のチェ氏(38)の通行を6時間も足止めしたキム某氏ら2人の警官に、チェ氏に謝罪するよう勧告した。人権委員会は、合意勧告文で「担当指揮官は過度な職務執行したことを謝罪し、今後同様な事態が起こらないよう注意を払うべきだ」と述べた。

これについてチェ氏は「今後、民事・刑事上のいかなる異議も提起しない考えだ」と話している。人権委員会によると、崔氏は今年4月10日、大統領府の外にある歩哨所付近で「大統領府も障害者便宜施設調査に応じろ」と書かれたプラカードを持って1人デモを行ったあと、近くのクァンファムン地下鉄駅に向かおうとした。ところがキム氏ら警官によって同日午後7時から6時間ほども足止めされた。