第170号 2002年 6月 8日 


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(出所 民主労総ホームページ)

人権分野の主要な改善に失敗

韓国の人権状況(01.1〜12) 国際アムネスティー2002年度定期報告書(抄)

人権改善の約束と高い期待にもかかわらず、韓国政府は人権分野の主要な改善に失敗した。国家保安法による拘束者数は減少した一方、短期間の拘束、とくに労組のリーダーらに対する拘束が継続して報告された。死刑執行はなかった。5月に人権法が通過され、11月に11人の委員で構成された国家人権委員会が設置された。以前に比べて囚人らの家族及び弁護士との対面権、通信及び新聞搬入などの処遇が向上した。しかし、依然として多数の囚人らが適切な暖房と換気の提供を受けることができないでいる。監獄で抗議し、過酷行為を告発した囚人らがひどい懲罰を受けたりもしたとの主張があった。大部分が「エホバの証人」信徒らである、良心的兵役拒否者の約1600人が、最高3年の実刑で服役しているという報告があった。野党及び人権活動家らの批判にもかかわらず、年末にはテロ防止法案が国会に提出された。

背景情報

 継続した経済的困難と「和解・協力政策」−北朝鮮との関係改善のための政策−の方向性喪失は、キム・デジュン政権に対する支持に下落をもたらした。キム・デジュン大統領が率いる民主党は10月の国会議員再・補欠選挙で思わしくない結果になり、これはキム大統領の党総裁職辞任につながった。「和解・協力政策」を主導して来たイム・ドンウォン統一部長官に対する解任建議案が9月の国会で、148対119で可決され、これは内閣の半数が辞職することにつながった。11月14日、南北長官級会談の失敗とともに「和解・協力政策」は推進力を喪失するようになった。長官級会談は、次の会談の日程と場所さえ決めることができずに決裂し、離散家族再会の希望が消え経済協力の進展も中断された。

不十分な法律改革

 期待された法律改革が実現しなかった。98年の就任当時、国家保安法の「毒素条項」を廃止するとのキム大統領の約束にもかかわらず、01年末までに国家保安法の改正は実現せず、少なくとも38人が同法違反容疑で拘束された。国家保安法のあいまいに定義された条項と、保安観察法、公務執行妨害法、そして集会とデモに関する法律が相変らず適用されており、これらの法律は、政府の政策に反対する活動家らを広範に拘束できる法的裁量を提供している。表現と結社の自由を抑圧する目的で、労組のリーダーに対する短期拘束が行われた。国家保安法と公務執行妨害法、集示法は、労組の活動家が公共の場所で、デモをすることを禁ずる権限を警察などに付与している。少なくとも600人の労組員が同法違反容疑で拘束された。

死刑制度

 全国会議員273人中、155人が死刑制度廃止法案を支持した。01年末、同法案が法制司法委員会に移管された。98年2月のキム大統領就任後、死刑執行はなかった。死刑執行については、実際には執行猶予があったにもかかわらず、深刻な犯罪で有罪判決を受けた人々に対する死刑宣告は続いた。01年末現在、死刑囚は少なくとも51人だ。死刑囚らは刑の宣告受けた最初の1年間は、自殺防止用とされる手かせを常にはめていなければならない。

国家人権委員会

 01年5月、国家人権委員会施行令が通過し、11月に刑務所収監条件の改善をはじめとする人権問題のより進んだ監視ができるようになるとの希望の中で、国家人権委員会が結成された。国家人権委員会は少なくとも4人の女性を含む11人の委員で構成される。しかし、国家人権委員会が十分な調査権限を持つことができなかったと憂慮されている。同委員会は、すでに終結されたり、他の調査機関で調査中であったり、または他の手続きで継続中の嘆願に対しては調査できない。国家人権委員会は他の国家機関に証拠提供を強制することもできない。国家人権委員会施行令は所属委員及び職員らに対して、同委員会での自分の義務を履行する過程で生ずる名誉毀損(きそん)で訴えられることを例外としていない。また委員選定過程の政治性が憂慮されている。

良心的兵役拒否者

 01年末現在、大部分が「エホバの証人」信徒の約1600人の良心的兵役拒否者らが、最高3年刑で服役している。韓国の全男性は26か月の兵役の義務を持つ。毎年500人以上の良心的兵役拒否者が拘束されている。刑に服した良心的兵役拒否者らは公職及び海外旅行の不適格者として分類される。

刑務所の収監条件

 暖房不足が深刻に憂慮されているのに、囚人らは時には零下30度の状態で拘束されている。過密収容と医療検診の不足も憂慮される。過酷で任意的な懲罰が、特に抗議及びあるいは刑務所内の過酷行為を告発した囚人らに行われる。このような処罰には、最高60日間の延長独房拘束、懲罰期間中の手錠などが含まれる。死刑囚らは刑の宣告を受けた最初の1年間はいつも手かせをはめていなければならないし、手が捕縛された状態で食べ物を食べなければならない。

難民 

韓国政府の許可で、国連難民高等弁務官事務所がソウルに開設された。92年に韓国政府が国連難民協約、97年に議定書に署名して以後、今日まで104人が難民申請をした。しかし、大部分が拒絶されたり自主撤回した。難民審査手続きが透明ではなくて、亡命希望者らはシェルターを求める法的権利を持つことができない。亡命希望者らが、深刻な人権侵害にあう国家に強制送還される危険に直面していると憂慮されている。

 

(人権ニュース 6/1)

「一所懸命に働いた移住労働者に出て行けだと?」

5月の移住労働者の人権状況

「賃金が払われなくても、社長に殴られても、強制出国が恐ろしくて言えなかった。私たちは不法状態で暮らしたくない。安心して働くことができるよう労働ビザを与えよ!」不法滞在(*原文は不法滞留、以下同じ)移住労働者のピドゥ氏の絶叫だ。(5月3日)

5月は、ピドゥ氏ら不法滞在移住労働者らによるミョンドン聖堂でのろう城から始まった。彼らの闘いは結局、人権社会諸団体による「移住労働者への弾圧を粉砕し、労働ビザをかちとるための共同対策委員会(共対委)」の結成につながった。(5月9日)

共対委は、ソウルの自主申告(*自ら出頭して申告すること)受付所の前で闘争宣言式を行い(5月16日)、△自主申告政策の撤回△取り締まり・追放の中断△労働ビザの付与を政府に要求した。彼らはミョンドン聖堂で、第2次移住労働者決意大会を開いた。(5月19日)

一方自主申告期間中、申告した不法滞在移住労働者の数は全部で約25万5千人だとわかった。(5月25日)