第169号 2002年 6月 1日 


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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 (ハンギョレ 5/30)

各国で「テロを口実に人権弾圧」

アムネスティの2002年度報告書

相当数の政府が「9・11同時多発テロ」後、テロと闘うとの口実で人権を押えつけて政敵を弾圧していると、国際人権団体のアムネスティインターナショナルが28日に明らかにした。

アムネスティは152か国の昨年の人権違反事例を盛り込んだ「2002年度定期報告書」で、「安保との見せかけの下で人権がますます後退させられた。01年は人権基準確立の先頭に立った政府が、長い時間をかけて認定し確立してきた人権基準に正面から挑戦した1年だった」と指摘した。

米国がアフガニスタン攻撃で捕らえた捕虜の扱いが、ジュネーブ協約を無視したものの代表的な事例に挙げられた。アムネスティは「キューバのグァンタナモ米海軍基地に収容された捕虜に対する処遇は、他国の政府に捕虜を非人間的に待偶してもよいのだと思わせた」と述べた。アムネスティのウィリアム・シュルツ米国支部事務局長は、「米国の『テロとの戦争』は事実上、ある主権国家に対して他国が基本的な人権を無視する青信号となった」と明らかにした。

報告書はまた、9・11テロ以後、米国など多数の国が安保を守るとの名分で、市民の権利を制限する新しい法律を制定したり、特定の人種に対する差別的な雰囲気を作り出したと指摘した。報告書は「米国とヨーロッパ・カナダ、アジア・アフリカの一部地域で人々は、何の過失もないのに他者から攻撃を受けた」と述べた。報告書はまた、外国人の権利を制限する政府の措置が、「特定の部類の人びとはテロ犯」との人種差別主義観念をあおったと非難した。アムネスティのアイリーン・カーン事務総長は「人権の普遍性が厳しい挑戦を受けている。人権に対する二重基準(ダブルスタンダード)と選択が、一般的な現象になっている状況」と述べた。

報告書は昨年、47か国で司法手続きのない処刑が発生し、31か国で法による処刑があったと明らかにした。また111か国で拷問などの過酷行為があり、56か国で良心囚が閉じこめられており、35か国では失踪事件が発生したと伝えた。司法部が被告に死刑を宣告した国は1997年の40か国から昨年には27か国に減り、囚人を拷問する国の割合も2000年90%、昨年73%でかなり減ったことが報告されている。

韓国の場合、国家保安法の拘束が減り労働者の拘束増加

 アムネスティは2002年度定期報告書で、韓国では国家保安法による拘束は減ったが、労組の指導部に対する拘束は相変らず続いていると指摘した。

アムネスティ韓国支部が韓国語に翻訳した報告書によると、韓国は昨年5月に人権法が制定されて11月に国家人権委員会が設置されたが、相変らず受刑者たちが過酷行為にさらされており、収監環境も劣悪だと説明されている。

とくに1600人の良心的兵役拒否者らが、最高3年の実刑で服役しているし、難民審査手続きが透明でなく、亡命希望者たちが保護を求める法的権利が持てないと批判した。

 

(人権ニュース 5/28)

韓国政府のワールドカップ対策に人権注意報発令

韓国・国家人権委「人権侵害のおそれのある現場に監視チーム」派遣

国家人権委員会が、ワールドカップに関連した政府の政策は、人権侵害の可能性があるとして、警告に乗り出した。

国家人権委は「公権力確立方策及び特別治安区域設定、労使平和宣言推進、不法滞在防止総合対策は、人権侵害の素地がある」として、これに関する意見書を近日、総理室、警察庁、行政自治部、労働部、法務部に送ると、27日明らかにした。

国家人権委はこの意見書で、「警察庁のワールドカップ対策が、国民の基本権を侵害しないように、特別な注意と指針が必要だ」と明らかにした。「公権力確立方策は、△ワールドカップ期間中、ち密な検問と捜索実施△不法・暴力デモが予想される時は、はじめから鎮圧部隊を投入するなど、集会とデモが過度に制限され、不法検問が発生すると憂慮されている。このほかにも、警察庁は競技場から半径1km、宿所及びFIFA会長から半径600mを特別治安区域に設定し、集会を許可しないことにした。

これに対して国家人権委は、「集会は直接的な危険がある場合に限り、最小限度の制限措置を取ることにとどまらなければならない」「国際会議がある度に、偽装集会だとして集会とデモを源泉封鎖したとの論議や非難が、今度は提起されないよう期待する」と強調した。国家人権委はこれと関連して、「ワールドカップ期間を前後して、人権委員を含む『人権監視チーム』を運営する計画だ」と明らかにし、注目を集めている。

また労働部が、ワールドカップ期間中、「労使平和宣言」を採択するよう指導し、労使紛争が発生しないよう行政の力を総動員せよと指示したことに対して、国家人権委は「労働基本権の正当な行使を侵害する素地がある」と憂慮した。あわせて国家人権委は、「不法滞在者に対する過度な取り締まりを自制し、人権が保障された外国人労働力導入制度を策定すべきだ」と明らかにした。

 

(統一ニュース 5/28、人権センター)

韓総連議長、キム・ヒョンジュ氏連行される

10期韓国大学総学生会連合(韓総連)議長のキム・ヒョンジュ氏(チョンナム大総学生会長)が5月28日連行された。

キム議長はチュンボック(忠北)にあるソウォン大学で学生会幹部らとの懇話会を終えて午後3時15分ごろに学校を出たが、張り込み中の保安捜査隊によって強制連行されたという。

情報によると、キム議長はソウォン大から他地域に移動するため、地域の幹部学生らとわき道を抜けて大学を出たとたん、保安捜査隊の4〜5人がキム議長をつかまえ、黒い色の乗用車が直ちに近付いて連行したという。

検察は5月1日に10期韓総連議長と代弁人に逮捕令状を発布していた。

韓総連は同日、「国家保安法を押し立てた警察の今回の蛮行は、分裂と対立を超えて和解と統一へと進む6・15共同宣言時代の全民族の統一熱望を踏みにじる行為であるとともに、韓総連の代議員に対する手配と拘束に反対する全国民の民主化意志を黙殺した暴挙だ。それだけでなく、ワールドカップという騒々しい国際行事を口実に、統一愛国勢力を弾圧する欺まんと虚偽の極致であり、米国の戦争脅威に便乗して南北関係を意図的に緊張させ、6・15民族統一大祝典、南北青年学生統一行事の成就で祖国統一の先鋒に立つ韓総連の闘争気勢を破たんさせようとする高度の述策だ」との糾弾声明を出し、議長釈放闘争を展開すると宣言した。