第167号 2002年 5月 18日 


韓 国 人 権 ニュース

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(人権消息 第2094号 5/16)

テロ防止法、まだ安心できない

聖域の国情院に対して、市民社会の監視・統制力を強めねば

ワールドカップが2週間後に迫り、国会情報委員会でのテロ防止法案通過は、事実上困難になっていると予想されている。しかし、テロ防止法案発議の背景として指摘されてきた国家情報院(国情院)の権力拡張企図に関して、テロ防止法案通過の有無に関係なく警戒をゆるめてはならないとの指摘が相次いでいる。

 14日付けのマスコミの報道によると、情報委員会の民主党幹事であるムン・フィサン議員は、「与野党が劇的に合意する可能性がまったくないため、テロ防止法の処理は事実上不可能になった。ワールドカップ後には、この法案を処理しないだろう」と述べたことがわかった。

 しかし、情報委員会のカン・ヨンソ首席専門委員は、「ワールドカップは国際行事の1つの例にすぎず、テロに備えなければならないとの立法主旨は依然として残っている」と法案通過の余地を残した。また、キム・ドンギュ国会情報委員長室でも、「テロ防止法はワールドカップ後でも通過させなければならない」と明らかにした。こうした状況で人権・社会団体は、テロ防止法案に対し、心から安心できない状態にある。

一方、持続的にテロ防止法案の問題点を指摘して来たイ・ゲス(ウルサン大)教授は、市民社会は運動の動力をテロ防止法案の完全阻止以後も、情報機関の改革ないし解体運動として継続していかなければならないと主張した。イ教授は、「国情院はテロ防止という名目で体制改編および拡張を試みたわけで、テロ防止法が通過しても、しなくても、国情院のような情報機関が派生させる問題と改革方案に関する研究はしなければならない」と述べた。イ教授はまた「国情院の予算の内訳や活動は非公開だとして市民社会の監視と統制外にあるが、これに対する対応力を育てなければならない」と強調した。

 

(人権消息 第2093号 5/15)

国家保安法はインターネットの対話も狙っている

警察が最後陳述・集会案内までも捜査対象に

警察が法廷での最後陳述やネット上の論争文までも、国家保安法の統制網に引っかけようとしている。キョンギ道警保安捜査隊は7日、聖公会大学生のチョン・ジユン氏を国家保安法と「集会とデモに関する法律」(集示法)違反容疑で逮捕した。チョン氏は聖公会大総学生会の政策局長で、同時に民主労動党の活動もしている。チョン氏に接見したイ・サンフィ弁護士によると、警察は広範な内容を国家保安法違反容疑として捜査をしていることがわかった。

警察はネット上で、チョン氏が自身の過去の活動に関して、他者と個人的に取り交わした論争を捜査対象にしているかと思えば、チョン氏が1999年9月の裁判当時に作成した最終陳述文を問題視している。チョン氏は99年4月、国家保安法違反容疑で拘束され、同年9月に懲役1年、執行猶予2年の宣告を受けて釈放された。その後、チョン氏の前科は赦免され、執行猶予期間もすでに経過した状態だ。

 また警察は、月刊誌<開かれた主張と代案>、<ともに>に掲載された文章が「国家の変乱を宣伝・扇動した」と主張している。チョン氏が寄稿した文章は△兵役非理、△「朝鮮日報」に対する批判、△小説<ジャングル>の書評だ。

 インターネットサイト<ともに>の聖公会大カフェーに載せた△ブッシュ訪韓反対の文章、△「マルクスの革命的思想」セミナー発題文、△毎週作成した集会日程と集会参加勧誘――なども捜査対象だ。この集会は公開的に開かれ多くの人々が合法的に参加したものが大部分だ。

 また、このような文章に対しては、検察内に設置された公安問題研究所の鑑定結果がすべて添付されていたと、チョン氏は弁護士との接見で述べた。

これに関してイ・サンフィ弁護士は、「最終陳述文や他者との論争文までが公安問題研究所の鑑定を受けたことは、個人の思想を徹底的に検証、監視することにほからならない」と批判した。またイ弁護士は「インターネットの特性上、個人間の私的な対話が記録に残るので、国家権力が探り、これを1つずつ分析することは、インターネット上での表現の自由を侵害する結果をもたらす」と指摘した。集会日程の広報までが国家変乱を宣伝・扇動するものとして捜査をすることも、基本的に集会の自由を侵害するものとの批判を免れるのは難しい。

このように、現在警察はチョン氏に対して無理な捜査をしており、今後、起訴内容にどのようなものが含まれるか注目される。一方、警察はチョン氏の集示法違反の証拠として、昨年2月24日のテウ自動車プピョン工場の集会に参加した写真を提示したという。現在チョン氏は、ウィジョンブ警察署の留置場に収監中だ。

 

(人権消息 第2090号 5/10)

移住労働者への弾圧粉砕のための共同対策委員会が発足

移住労働者、ミョンドン聖堂でろう城闘争12日目

移住労働者たちのミョンドン聖堂でのろう城(座り込み)闘争が12日目となった9日、「移住労働者への弾圧粉砕および労働ビザをかち取るための共同対策委員会(仮称、以下共対委)」が発足した。平等労組移住労働者支部、民家協、仏教人権委員会、移住女性人権連帯などの会員が参加する中、ミョンドン聖堂入り口で開かれた発足記者会見で共対委は、「不法滞在移住労働者追放政策を中断し、かれらを合法化せよ」と要求した。

イ・グミョン移住女性人権連帯代表は、「政府は『不法滞在総合防止対策』をつくり、約26万人に逹する不法滞在移住労働者を、1年内に全員出国させようとしている」「わが国の経済に寄与してきた不法滞在移住労働者が労動3権を保障され、人間らしく働けるようにすることが、共対委の目的だ」と明らかにした。

チョ・スンドック民家協議長は、共対委結成宣言文を通じて、「不法滞在労働者に、合法的な居住と労動資格を公式に付与せよ」と主張した。

一方、8日から移住労働者2人が追加でろう城に加わり、ろう城している移住労働者は4人に増えた。ビドゥ氏はこの日の発足式で、「私たちは労働者だが労動3権がなく、私たちは人間だが人権がない」とろう城の理由を語った。ボジュラ氏は、「95年1月のネパール研修生たちのミョンドン聖堂ろう城闘争は、移住労働者の『人間宣言』であった。以後の本格的な移住労働者運動を導き出した」「政府が『不法滞在者』を全員追放するとしたことから始まった今回のろう城は、移住労働者の労動権をかち取る運動の契機となるだろう」と強調した。

以後の共対委の計画と関連して、イ・ユンジュ平等労組移住労働者支部長は、取り締まり・追放に反対し、労動ビザをかち取るために、△出入国管理所前での宣伝活動△緊急討論会△移住労働者10万人署名運動△移住労働者決意大会などを、展開すると明らかにした。