第166号 2002年 5月 11日 


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(人権消息 第2089号 5/9)

彼らに監獄ではなく社会奉仕を!

代替服務法の制定要求キャンペーンを展開

 「監獄に閉じこめられている約1600人の兵役拒否者にも、この暖かい5月の日ざしを!」8日午後、ソウルの大学路では「良心に基づく兵役拒否者らに、監獄ではなく社会奉仕を!」という街頭キャンペーンがくり広げられた。約30の社会団体が参加する「連帯会議」と全国学生会協議会(全学協)、21世紀進歩学生連合、社会党学生委員会など学生運動団体が共同で主管するこのキャンペーンでは、兵役法の改正と代替服務法の制定のための国民署名運動も並行している。連帯会議は6月中に国会に関連立法を請願する計画で、5月の毎週水曜日にキャンペーンを行うことにした。

 一方、この間社会運動団体を中心にくりひろげられた「兵役拒否権実現運動」が、大学にも拡散する展望だ。キャンペーンに先立って全学協など学生団体は共同記者会見を開き、「大学生の声を集めて良心に基づく兵役拒否者らの人権を討論し、彼らの人権が保障されるよう実践する」と明らかにした。学生団体は、「大学から始まった良心に基づく兵役拒否権に対する支持は、韓国社会の根深い軍事文化に対する本質的挑戦になるだろう」とその主旨を説明した。

 街頭キャンペーンのほかにも、22日に「国防部への人間の鎖」が、24日には自転車行進と文化祭など、代替服務法制定を要求する多様な行事が企画されている。

代替服務法案および兵役法改正の方向(連帯会議の立法案骨子)

−兵役法第5条に規定された補充役の一種として「代替服務要員」に関する条項を新設する。現在の補充役には「共益勤務要員、公衆保健医師、徴兵担当医師、国際協力医師、共益法務官、専門研究要員、産業機能要員」が存在する。代替服務要員は保健福祉部長官の指揮監督を受けて、社会福祉施設での奉仕業務を引き受けるようにし、教育召集ではなく、職務と関連した職務教育を受ける。

−代替服務判定と懲戒などの権限を担当する代替服務委員会を保健福祉部の傘下に設置し、中央委員会と地方委員会で構成する。

−代替服務の申請理由は宗教的、倫理的、政治的、平和主義的、人道的良心などを包括するようにする。

−代替服務申請期間は徴兵検査後、入営期日の30日前までとし、すでに服務中の者は、入営の後1年以内に代替服務を申請するようにする。

 

(人権消息 第2086号 5/4)

移住労働者に労働ビザを発給すべき

政府の「1年の出国準備期間」は一時しのぎ

 コビル氏とビット氏、2人の不法滞在移住労働者が、政府の取り締まりと追放の中断を要求して、ミョンドン聖堂で座り込みを始めて5月3日で6日目になった。彼らの座り込みをきっかけに不法滞在移住労働者の存在と、彼らに対する今後の政策に社会的関心が集まっている。

 ビット氏は「賃金をもらえなくても、社長から殴られても、強制出国が恐ろしくて声があげられなかった。私たちは不法に暮したくない。心配なく働けるように労働ビザを出して欲しい」と述べた。ビット氏のように韓国国内に不法滞在している移住労働者の数は約26万人。最近政府は、3月25日から5月25日までを不法滞在移住労働者らの自主申告期間と設定し、申告者に対しては罰金を兔除して、最長1年間の出国準備期間を付与すると明らかにした。相当数の不法滞在移住労働者らがすでに自主申告を終えたという。

 しかし、ビット氏ら民主労総所属の平等労組移住支部の組合員らは、自主申告を拒否している。今回の政府の対策は1年の猶予を与えるだけで、移住労働者への取り締まりと追放政策はそのままだと判断するからだ。実際、法務部滞在審査課や労働部雇用政策課などの関連部署では、「期間を1年もあたえたことも大きい恩恵授与だ。1年以内にすべての不法滞在者は韓国から出なければならない」と明らかにしている。

 しかし、みずから申告する不法滞在移住労働者も、全員が1年後に自国に帰ろうと考えてはいない。あるフィリピン人労働者は、「1年でも取り締まりの心配なしに働こうと申告したが、1年後には申告した事業場から逃げ出して、他の所で働くと言う人が多い」と移住労働者らの雰囲気を伝える。結局、現在の政府の対策は一時しのぎに過ぎず、代案となる移住労働者政策が必要だということを示唆している。

 これに関して、民主労総のイ・サンハック政策局長は、「多数の不法滞在移住労働者の存在は、韓国社会が移住労働者を必要としていることを示している。政府はまず、不法滞在者を合法化して、移住労働者も内国人とまったく同じように、労働基本権の保障を受けながら働けるように、労働許可制を取り入れなければならない」と強調した。

 

(人権消息 第2087号 5/7)

国家保安法違反の前歴者は「えじき」か

最高裁判所・用役会社、解雇後問題となると復職通報

 最高裁判所に出入りするある用役職員が、国家保安法(国保法)違反の前歴のため解雇になり、6日後に再度復職通報を受けるなど、恣意(しい)的な人事の横暴に苦しんだ。

 4月30日、施設管理用役会社の(株)ミョンホ総合技術開発(ミョンホ開発)職員のチェ・デヨップ氏は会社から採用取り消しの通報を受けた。身元調査の結果、チェ氏が過去に国保法違反疑いで刑事処罰を受けた事実があると、最高裁判所の行政処管理課が会社に通報したからだ。これに先立って29日にチェ氏は、身元と関連して最高裁判所管理課から、「赦兔復権はされたが、労働団体と関連する事案だったので問題になる」と聞いたという。チェ氏は97年に韓国労働青年連帯という労働団体で活動中、国保法違反容疑で拘束されて執行猶予の宣告を受け、99年に赦免復権された。チェ氏は4月月26日に結成された施設管理労組ミョンホ開発支部の支部長で、チェ氏の解雇が労組弾圧の一環ではないかとの疑惑も提起された。

 一方、6日午後、最高裁行政処管理課の関係者は、「身元問い合わせ結果を会社側に知らせはしたが、解雇しろと言ったりはしていない」と弁解した。また、「すでに赦免復権された個人の国家保安法違反の前歴を会社に知らせる必要はないはず」との問いには、回答を避けた。

 結局、チェ氏は同日、会社の班長から復職通報を受けた。会社関係者は「最高裁判所から仕事をさせなさいと連絡が来た」と話した。チェ氏の解雇が予想外の波紋を起こしたことに驚き、最高裁と会社が方針を変更したようだ。

 チェ氏は「また仕事ができるようになったのは幸いだが、自分たちの都合で横暴な人事をした。この人権侵害に対し、会社と裁判所に謝罪と再発防止の約束を要求する」と明らかにした。