第157号 2002年 3月 2日 


韓 国 人 権 ニュース

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(人権消息 第2038号 2/28)

<論評>テロ防止法案をしっかり見定めよう

昨年11月12日、国家情報院(国情院)がテロ防止法案を立法予告した直後に噴出した各界の憂慮と反対は小さくなかった。しかし、政界は与野党ともにそれをまったくかえりみず、与野党の総務が2月の国会会期内の処理に合意した状態にある。

国際人権法と国内法を包括的に検討した国家人権委員会の反対意見書も、「現行法でテロ予防と処罰は十分なので、テロ防止法案自体が不必要だ」とする大韓弁護士協会の意見も、連日の人権社会団体の抗議デモと声明も、まったく考慮の対象とされない傍若無人ぶりである。

現在、国会審議が不正常な状況にあり、この法案を審議する情報委員会が開かれていないことが、かえって幸いな状況だ。国民のために真しに論戦する国会よりも、政争に明け暮れる国会のほうが国民の安全にとって好ましい政界の状況が、本当になさけない。

国会正常化のために努力するというイ・マンソップ国会議長は、テロ防止法案をワールドカップに備えて早急に処理すべき「懸案」だといっている。これの尻馬に乗ってマスコミもでたらめを振りまいている。人権社会団体がなぜこの法案に反対するかを報道し、コラムや寄稿文で反対論を展開したハンギョレ新聞までが、「テロ防止法案のような懸案を放置している」との理由をあげて迷走国会を批判している。だがこれは、テロ防止法案がワールドカップに備えるための法律だとする国情院の宣伝に、一役買う結果となっている。一言で2つのことをいおうとする報道態度にほかならない。ここで確認されるのは、社会全般が「テロ」にかこつけたテロ防止法案の「看板詐欺」にまき込まれているということだ。

いまからでも遅くない。テロ防止法案をしっかりと見定めなければならない。法案は罪刑法定主義に反するあいまいな犯罪規定の上に立っている。そのあいまい性をし意的に解釈し、執行する権限が国情院に集中されている。ベールに包まれた国情院が、同じように秘密組織である対テロセンターを設置し、対テロ対策の全般を陣頭指揮する権限を持つようになる。国民の監視が決して及ばない巨大な権力が、テロ防止の美名のもとに君臨することになる。国情院に必要なものは足かせであって、より大きな権限ではない。

いまにもあふれ出しそうなものは国家権力であり、テロ予防と処罰のための法だ。足りないものは国民の人権を保護し、侵害された人権を救済する法と制度である。テロ防止法案は、過剰なものと不足しているものの間の不均衡を、回復できないような状況に作り上げるだけだ。どうか、テロ防止法案をしっかりと見定めてほしい。

<速報>テロ防止法案の審議が3月の国会へ延期

2月の臨時国会でのテロ防止法案の強行処理が霧散した。

2月26日も国会情報委員会によると、テロ防止法案に関する公聴会の必要性が提起され、早急に公聴会を開く計画で、法案審議は3月11日−12日の国会情報委員会で続開される予定だ。

 

(人権消息 第2038号 2/23)

ワールドカップ口実の集会弾圧が現実化

民主労総の全北本部長ら11人連行

2月22日、チョンジュ市のワールドカップ競技場前で開かれることになっていた民主労総全北本部(ヨム・ギョンシク本部長)主催の集会が、ワールドカップを口実にした警察の有無をいわさぬ弾圧で霧散させられた。とくにこの日集会は、あらかじめ申告されていたにもかかわらず、ワールドカップを口実に集会とデモの自由を縮小されるだろうとの憂慮が現実化したものだ。

全北本部のキム・ソンフィ総務部長代行によると、この日「中小零細事業場の犠牲のない週5日勤務制戦取のための決意大会」を準備するため、午前11時ごろ全北道本部の幹部約20人がワールドカップ競技場の前に集まった。

この時、チョンジュ北部警察署所属の警察は彼らを取り囲んで、車に積まれていたテントを奪い、全北本部のヨム・ギョンシク本部長ら11人を連行した。この過程で臨時職労組のパク・ジェヒョン事務長が重傷を負い、西チョンジュ整形外科へ運ばれCT撮影まで受けた。パク事務長は頭痛と腰痛を訴えている。

これについて、全北平和と人権連帯のチョン・ジュニョン執行委員長は、「チョンジュ北部警察署の情報課長が『ワールドカップ準備期間にテントを張っての座り込みはみっともない』と連行理由を明らかにした」と伝えた。しかし、チョン執行委員長は「当時、テントを取り出さなかったし、警察に取り囲まれてテントを張ることもできなかった。警察は労働者がテントを張るはずだとし意的に解釈して、連行理由も告知しないまま不法に連行した」と糾弾した。

これにたいして全北本部所属の組合員と全北地域の社会団体活動家150人は、警察署長との面談と連行者の釈放を要求して、チョンジュ北部警察前で徹夜の座り込みをした。これに先立って午後には、警察の不法連行に対して逮捕適否審査を申し込んだ。

 

(人権消息 第2041号 2/28)

「不審死法」、国会の法司委へ上程

遺族が成立のために8個の条項を撤回する背水の陣

不審死真相究明のための特別法(不審死法)改正案が2月26日、国会法制司法委員会(法司委)に上程された。しかし同日、ハンナラ党のチェ・ヨニ議員は調査期間の延長以外の改正条項に関して、「すべて問題だらけ」だと否定的な反応を見せるなど、法案が処理される過程で相当な論難が予想される。

改正案でもっとも論争となる部分は、「調査権限の強化」に関連した諸条項だ。これに対して遺族と民主化運動精神継承国民連帯(継承連帯)などは、公訴時效など違憲の是非が予想される8つの改正条項を撤回することを電撃的に決定した。論争の素地を最小化して、「これ以上の譲歩はない」との覚悟で法改正のために背水の陣を敷いたわけである。

 27日に継承連帯が公開した「不審死法改正案の修正意見書」によると、撤回された条項は△強制勾引△盗聴、押収捜索などの要請△公訴時效適用排除△赦免申請などだ。こうして遺族の側は資料提出、通話内訳の照会など一部の調査権限の強化と不審死の概念の再規定および調査期間延長などを最小限の要求として残した。

一方、法司委は28日午前9時に法案審査1小委、10時に全体会議を開いた。不審死法改正案を発意したイ・チャンボック議員は、ここに遺族の側の修正意見書を提出する計画だ。しかし法司委で、改正案のうち調査期間延長条項だけを受け入れて処理する可能性も排除することができず、今後の不審死法改正をめぐる法司委の論議が注目される。