第154号 2002年 2月 2日 


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(人権消息 第2022号 1/29)

不審死事件の遺族、特別法の改正案を作成

調査権限の強化、調査期間9月まで延長

民主化運動精神継承国民連帯と不審死遺族非常対策委は1月28日、不審死真相究明委員会(究明委)の調査権限の強化、調査期間の延長を内容とする真相究明特別法改正案を作成して究明委に伝逹した。これによって、調査期間もあまり残ってない状況で、国家機関の非協力によって真実究明に困難を重ねてきた究明委が、正しく位置づけられるだろうと期待されている。

改正案は、不審死の定義のうち「民主化運動と関連した死」を「民主化運動の過程で、あるいは権威主義的政権の弾圧過程で発生した死」に変えた。これは民主化運動の関連性を明らかにしなければならない従来の制限的定義のため、権威主義的政権の弾圧過程で死亡したにもかかわらず不審死と認定されない問題を克服するためだ。

また、事件が民主化運動との関連性、または公権力の直・間接的な行使によって発生したのではないという点が、はっきりと明かされた場合だけ陳情を棄却するようにし、これを明確にあきらかにできない場合には、調査不能と決定して、その理由を公開するようにする条項を新設して、究明委が事件に対する棄却を愼重にするようにした。したがって、不審死ではないと明白に立証されない限り、今後も事件の真実を究明することができる余地が残るようになる。

調査権限に関しては、参考人と被陳情人に対する通話内容の確保および口座追跡照会権を行使できるようにした。これは参考人や被陳情人が、事前に陳述の口裏を合わせて事件を隠ぺいする行為を確認するために必要な措置だ。彼らが同行命令に応じない場合、委員会の議決で強制勾引し、通話内容の確認、出国禁止、押収捜索などを関係機関に要請できるようにした。

これ以外にも、情報提供者に不利益を加えた者、証拠をいんめつ・偽造・変造したり、その偽造または変造された証拠を使った者、調査を妨害する目的で虚偽の陳述および鑑定をした者、正当な理由なく同行命令を拒否した者らに対して、罰則条項と過料を新設した。これまでは検事や高位官吏経験者らが正当な理由もなく、調査に応じないとか虚偽の陳述をしても、何ら罰則条項がなく、究明委が調査を進ちょくさせるのに多くの困難があった。

また調査期間は今年の9月15日まで延長される。現行法では大部分の事件の調査期間が今年の3月−4月で終了するが、現在までに調査が終了した事件は、全体の20%にも満たない。

この他にも改正案は、国際法上の反人道的犯罪に対しては、公訴時效が存在しないという点を勘案して、刑事訴訟法上の公訴時效と民事訴訟法上の消滅時效の適用を排除するようにし、証言・陳述の聞き取りと証拠の採択のために、聴聞会を開けるようにする条項を新設した。

民主化運動精神継承国民連帯のイ・ウンギョン事務局長は、「議員立法の発議を通じて改正案を国会に上程する」と述べ、国会は与野両党総務間協議をへて、改正案が早急に処理されるように力をつくさなければならないと強調した。究明委の関係者は、「遺族らとの十分な協議をしてきた」として、究明委内の改正小委員会(イ・ウォンヨン、ペク・スンホン委員)で改正案を検討し、その後意見書を出すだろうと明らかにした。

一方、現在究明委は、1月14日にヤン・スンギュ委員長らが辞退書を提出し、2人が空席の状態で、今週中に新しい常任委員2人が充員される予定である。

 

(人権消息 第2023号 1/30)

裁判所、「良心と兵役の義務の共存は必要」

兵役法の違憲申請…兵役拒否権の論議に新しい局面

「良心にもとづく兵役拒否」を認めない現行兵役法に対して、裁判所が違憲審判を請求した。これによって「兵役拒否権」に対する憲法裁判所の判断が不可避となり、これをめぐる社会的論議も拡散するものと見られる。

ソウル地裁のパク・シファン判事は29日、兵役法第88条(入営忌避罪)違反の容疑で拘束起訴された「エホバの証人」のイ・ギョンス氏事件と関連、イ氏の弁護人が申請した違憲審判申請を受け入れて宣告を留保し、イ氏を保釈で釈放した。

パク判事は違憲審判申請決定文で、「兵役の義務」と「良心・思想・宗教の自由」が、「相互に本質的な内容をき損しない範囲で、共存しなければならない」と主張した。続けて「兵役法第88条第1項が、良心的・宗教的な兵役拒否者に対して、何ら例外的措置を規定しておらず、兵役の義務だけを完全に履行させる代わりに、思想と良心の自由および宗教の自由はひどく侵害される結果になる」と判断した。パク事はまた、米国とブラジル、ロシアなどの外国の事例と国連人権委員会の決議を引用して、「(良心的兵役拒否権に対して)憲法に照らして再検討して見なければならない段階に来た」と明らかにした。

韓国の裁判所で初めて、兵役拒否権が憲法上の基本権だと認定する主旨の決定が出たことで、「兵役拒否権認定」運動をして来た社会運動陣営の動きも、さらに活気を帯びるだろう。

この日、「良心にもとづく兵役拒否権実現と代替服務制度改善のための連帯会議」(準)はただちに声明を発表して、今回の決定に対して「兵役拒否者らに自身の良心を実現できる機会を与え、代替服務などの制度を通じてこれを保障することが、大韓民国憲法が保障する基本的権利だと確認できた」と歓迎した。

現在まで26の社会団体が参加している「連帯会議」(準)は、2月4日に発足式を開き、「兵役拒否権実現と代替服務制改善」を要求する1千人宣言を発表する予定だ。

 

(人権消息 第2025号 2/1)

「国家保安法廃止」の横幕は不許可

チュンチョン地裁が、国家保安法反対を表現することさえ許さぬ、あきれた判決を下した。

チュンチョン地裁(イ・ホンソップ裁判長)は1月24日、昨年2月にチュンチョン市庁が「国家保安法撤廃」の横幕の掲示申告受付を拒否し、横幕を掲示できないようにしたことは不当だとして、民主労総カンウォン本部の「屋外広告物など表示申告受理拒否」の取り消し請求訴訟を、訴えの理由がないとして棄却した。裁判所は横幕の内容が、国家保安法と屋外広告物等管理法に反すると判決理由を明らかにした。

地裁は判決文で「北朝鮮が韓国の自由民主的基本秩序の脅威になっているのが明らかな状況では、国家保安法が憲法に反する法律だと断言できない。保安法を全面的に廃止しようとの極端な主張を、横幕を掲示して表現するなど、一定の行為として現われる場合には、国家安全保障などにかんがみて、その表現の自由を制限することもできる」と古びた主張を繰り返した。

今回の判決に対してイ・サンフィ弁護士は、「異なる意見を持つ人の口をあらかじめ塞いでしまおうという反人権的な判決」批判した。民主労総カンウォン本部は、「大統領さえ国家保安法の改正が必要だと言う時代なのに」と憤怒し、高裁へ控訴すると明らかにした。