第153号 2002年 1月 26日 


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(人権消息 第2016号 1/19)

良心による兵役拒否後の社会奉仕がひと月を経過

拒否者のオ氏、出頭要求を口頭で受ける

兵役拒否権の認定をめぐって、賛否両論が激しいなか、良心にしたがって兵役を拒否したオ・テヤン氏は、1か月を越える社会奉仕活動を継続して自分の所信を守っている。

最初オ氏は、ソウルのポムン洞にあるホームレスの自活共同体でボランティアをしていたが、11日に人手がもっと必要なミア洞の「慈悲の家」に席を移した。慈悲の家では毎日寄る辺のない老人らに食事を提供し、貧困家庭の子どもらのために学習室を運営している。このようにオ氏は、ボランティア活動を続けながら、合間を見つけて社会団体の関係者に会い、良心による兵役拒否の問題を知らせながら代替服務制の導入を訴えた。約70人に会ったが、個人的な次元では大部分が兵役拒否権を認める雰囲気だったという。しかし、オ氏は「いまだに韓国では、良心的兵役拒否に対する理解が十分ではないようだ」と語り、「個人の支持が団体次元の支持にまで進むには、論議の水準が非常に低い」と指摘した。

ふと良心による兵役拒否者たちに向けられる代表的な質問をしてみたくなった。「多くの人が軍隊に行きたがらない。それじゃ軍隊に行った人は非良心的ということだろうか」これに対して、オ氏は笑いながら自分の見解をしんみりと話した。

「良心的兵役拒否というのは、兵役拒否者がみな良心的という意味ではない。良心的兵役拒否者は、兵役を到底受け入れることができない特定の良心に、忠実であろうとする人なだけだ。良心によるすべての行為は、それ自体が尊重されなければならない。したがって、軍隊に行くことも、良心や信念による行為として当然尊重されなければならないでしょう。このとき、この良心は良くて、あの良心は悪いというふうに、価値判断をする性質のものではないと思う」

オ氏は16日、東部警察で調査係のパク・ヒョンソック刑事から、「12日に出頭要求書を発送した」と知らされた。しかし、オ氏の家にはいまだに召喚状が到着していない。これに関してオ氏は、召喚状を正式に伝逹された後に、出頭問題を考えてみると語った。

一方、オ氏の兵役拒否をきっかけに、現在良心による兵役拒否のための連帯会議を構成しようという論議が活発になっている。この連帯会議に18日現在、参与連帯、平和人権連帯、実践僧侶会など27の宗教・社会団体が参加する意思を明らかにしている。彼らは30日午前10時、アングック洞のヌティナムカフェで連帯会議発足のための記者会見を計画している。

 

(人権消息 第2018号 1/23)

車いすの墜落惨事から1年、墜落する移動の権利

〈現場中継〉第10回障害者バス乗車行動

22日午後3時30分ごろ、車いすに乗った障害者約20人がソウルの恵化ロータリーから世宗文化会館までバスで移動しようとした。この時、戦闘警察らは停留場の周りを幾重にも取り囲み始めた。ここからバスに乗ろうとする障害者らと、これを阻もうとする戦闘警察の間でもみあいが始まり、恵化ロータリーはあっという間に修羅場となった。

一群の障害者たちが警察の阻止線を横に回り恵化ロータリーの車道へと進んだ。しかし、警官らはただちに、それぞれの車いすに4−5人ずつ飛びかかり障害者らを歩道へと引き戻した。この過程で「障害者もバスに乗りたい」という切々たる叫びが続いた。他の障害者の何人かが反対側へと回り恵化ロータリーの車道に進んだが、やはり警察によって引き戻された。

現場を指揮していた東大門警察のユン・サム署長に、「障害者がバスに乗ろうとしているのにどうしてじゃまをするのか」と聞いた。ユン署長は答えず、この光景をじっと見つめるばかりだった。何人かの現場指揮官に重ねて質問したあげく、そのうちのひとりから「彼らが葬式の花輪を持って世宗文化会館に行き、不法集会をしようとしているからだ」との返事を聞くことができた。結局、バス乗車行動の前に、障害者が乗れない大衆交通手段は死んでいることを象徴するために、停留場の周りに立てておいた「葬儀用花輪」が、この日の修羅場の口実を提供したことになる。

 この日は昨年オイド駅で発生した障害者用リフト墜落惨事から、ちょうど1周年にあたる。この日開かれた第10回障害者バス乗車行動は、昨年9回行われ、今年初最初の行動だった。しかし、「葬儀用の花輪を持って行くと不法集会を開くおそれがある」という警察のし意的な解釈と、これを根拠にした公権力の執行のために、バスに乗りたいという障害者らの小さな願いは無残にも墜落してしまった。

 

(人権消息 第2020号 1/25)

テロ防止法に反対、人権侵害の危険性

大韓弁協が国会に意見書を伝逹

大韓弁護士協会(大韓弁協、チョン・ジェホン会長)は23日、国家情報院が立案した「テロ防止法」の制定に反対するとの内容の公式意見書を、国会に伝逹したと明らかにした。

大韓弁協の法制委員長であるキム・ジョンス弁護士は、「なによりもテロ犯罪の概念が抽象的かつあいまいで、国民の人権を侵害する危険性が大きい」と反対意見を出すことになった理由を説明した。大韓弁協は意見書で、「テロ犯罪に対する予防と処罰は現行法で充分だ」とし、「テロ犯罪の概念と範囲が極めてあいまいかつ抽象的なので、罪刑法定主義(明確性の原則)に反する」と指摘した。

大韓弁協は意見書で△国家テロ対策会議△対テロセンター△司法警察権――などに対してすべて反対あるいは削除意見を明らかにした。大韓弁協は「テロ犯罪に対する捜査の主導権を国家情報院が掌握するようになり、これは検察の捜査指揮権に反する」と、反対の理由を明らかにした。大韓弁協はまた、「警察、検察は国家情報院の傘下機関ではない」と厳しく指摘した。テロ防止法(案)によれば、国家情報院に関係機関の公務員で構成される対テロセンターが設置され、その傘下機構として分野別のテロ事件対策本部が設置される。また、対テロセンターの公務員に司法警察権(捜査権)をあたえている。

一方、国家人権委員会も来週中に、テロ防止法案に対する公式意見を、国会議長と情報委員長に伝逹する予定だと明らかにした。国家人権委は法案に対する意見をまとめるために、昨年12月7日に聴聞会を開き、その後追加して国際人権法学会と憲法学会の意見を聞いてきた。

テロ防止法案は、政府与党案が昨年国会に提出されたが、処理されず、今度の国会で処理される予定だ。