第149号 2001年 12月 15日 


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

271-0051 松戸市馬橋1800番地 三和ビル

電話 047309-5511 FAX 047348-6666

<メニュー> <バックナンバー>


 (人権消息 第1993号 12/7)

人権運動サランバンが選んだ今年の人権10大ニュース

国家人権委員会、貧弱な出発・大きな望み

11月26日、満3年の論議の末に「国家人権委員会」が開設された。しかし、国家が国民の人権保障という自身の責務を効果的に履行するために作った「内部の反省装置」である国家人権委は、発足から固く手かせがかけられた。法務部、国防部、保健福祉部などが該当保護施設を人権委の調査対象から除外し、調査する時には事前に通知しろという要求をしており、行政自治部は人員の規模を127人として、人権活動家の職員採用時には特例を認定できないと反発しているからだ。この結果、国家人権委が提出した施行令と職制令が制定できなかった。「歴史的な発足」との言葉に比して、事務局もなく看板だけを掲げた日、人権委員らが直接陳情の受付に出たが、人権保護を求める国民の列は長かった。

「障害者もバスに乗りたい」

今年一年間、障害者らは「行きたい場所に、行きたい時に行く権利」を主張して、社会の高い壁を乗り越え始めた。正月の連休期間中に、地下鉄オイド駅で障害者用エレベーターが故障して、70代の障害者老夫婦が死亡し重軽傷を負う悲劇があった。ずさんな施設の管理体系が生んだ事故だった。4月には20の障害者・社会団体が「障害者人権連帯」の結成に立ち上がり、地下鉄乗車闘争、バス占拠闘争などを展開した。こうして社会的な関心も高まり、7月から始まった「障害者の移動権を確保するための署名」は12月4日現在、15万3千人を数える。

テウ自動車の労働者に対する4・10警察テロ

4月10日、テウ自動車プピョン工場前の道路で、武装した戦闘警察隊がテウ解雇労働者を集団暴行し、数10人が重軽傷を負う事件が発生した。当時、労働者らは裁判所の「労組事務室出入り許可」決定に基づいて、事務室へ移動している最中だった。この事件は2月16日のテウ自動車労働者1750人に対する整理解雇以後、2か月間継続した「プピョン事態」の延長線上に発生した。この事態は以後、さまざまな労働者闘争に対する警察の「物理的テロ」の始発点になった。

国連、韓国の社会権を総合診断

韓国の社会権の状況は、国際的な人権の舞台で深い憂慮の目で見られている。国連の社会権委員会は社会権に関する政府の第2次報告書を審議した結果、5月11日に強い是正勧告を発表した。政府が経済構造調整を推進する過程で、雇用事態の悪化、所得不平等などに正しく対処できなかったと指摘し、△劣悪な公教育システムによる低所得層の教育費増加、△労組に対する過度な公権力乱用、△非正規職労働者の状況など、21項目の主要懸念項目を列挙した。社会権条約を批准した韓国政府は、社会権委員会の勧告を履行する義務を持つ。

社会運動界で性暴力反対論議が活発化

社会運動界内部での性暴力被害者らが口を開き始め、性暴力反対運動が始まった。女性活動家らで構成された「社会運動界内の性暴力根絶100人委員会」は、加害者の実名公開などの活動を展開し、加害者された人物から名誉きそんで訴えられもした。社会運動界内でも加害者の実名公開は、運動の大義と団結を押し立てて性暴力事件を縮小するのにきゅうきゅうとする風土の中で、問題を公論化するためには不可避な選択だったとの声が高まった。こうした動きが、被害者の苦痛に目を向け、社会運動界内の性暴力事件を解決するための努力につながっている。

17年ぶりの真実、パク・ヨンドゥ拷問致死事件

不審死真相究明委員会は6月25日、84年にチョンソン第1保護監護所で不審死したパク・ヨンドゥ氏が、監護所内の人権弾圧に抗議し、矯導官らの暴行でなくなったことを明らかにし、民主化運動との関連を認定した。422日間の遺族による座り込みによって発足した不審死真相究明委員会は、今年1年で83件の陳情および職権調査を施行するなど善戦してきたが、難航を重ねてきた。検察など関連機関の非協力の中で、調査時限が来年2月までとなっているからだ。

国家保安法の号令、「お前の心の内を見せろ!」

国家保安法はいまだに何ら手もつけられず健在だ。それをいかんなく見せつけた事件が、8月のカン・ジョング教授事件だった。国家保安法がねらうのは行為ではなく、「内心」に向けられたものであることが如実に現われた。北朝鮮を訪問して「尊敬するキム・ジョンイル将軍」と語ったある財閥の総帥は処罰されなかったが、「マンギョンデ精神を受け継いで、統一偉業を成し遂げよう」と芳名録に書いたカン教授は処罰する法律が国家保安法だ。カン教授は10月11日に保釈されたが、裁判は継続し、「内心」を見せろと強要されている。

インターネットに「検閲」の旗が打ち込まれた

インターネットの検閲体系を構築しようとする政府の構想が、ついに制度的な枠を持って現実的な問題として登場した。昨年制定された「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律」が今年の7月から発行したのに続いて、11月1日に情報通信部長官の告示までも発効することにより「有害媒体表示制」と「遮断ソフトウェア」を両翼にしたインターネット上の検閲体制は、圧倒的な権力を振るえる体制を整えた。

良心的兵役拒否権が世論化

毎年500人にのぼる青年が良心の自由を実践するために、「軍服務」ではなく、「監獄暮らし」を選択している。今年初め、「エホバの証人」の集団拒否がマスコミを通じて知られ、韓国社会では初めて「良心的兵役拒否」が世論化された。彼らの良心的兵役拒否運動は、人権・平和運動と出会って新たな流れを作った。4月にはチョン・ジョンベ議員が良心の自由と少数者保護の原則にたち、良心的兵役拒否権の立法推進を明らかにした。しかし、反共と軍事文化に支配された社会でのこの活動は、ただちに反撃を受けた。保守的キリスト教団は異端教団の主張だとして法案発議を妨害した。これは「良心的兵役拒否」を、「良心表現の自由」に該当する人権として認定している国際社会の流れに反する。困難な道のりは始まったばかりである。

人間性に向けた闘争−レイコム労働者

「人間らしく生きたい。労働組合を認定しろ」70年代の話かと見まがうような要求を掲げて、レイコム労働者(全国建設運送労組)らは闘った。永く闘争をくりひろげたが、彼らの現実は、いまも依然として70年代にとどまっている。4月10日にストに突入したのは、使用者は「労働者ではなく個人事業者」だとして労組を認定せず、不当解雇と暴力をくりひろげたからだ。しかし、使用者は不当労働行為にとどまらず、ストろう城さえも、暴力団を動員して踏みにじった。政府も黙認するのみならず、労組員を連行し拘束した。レイコム労働者は不当な待遇を受け、不安定な職場で自身を維持しなければならない、数多くの非正規職労働者の一部だ。彼らの闘いは今日も続いている。