第146号 2001年 11月 24日 


韓 国 人 権 ニュース

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 (人権消息 第1981号 11/21)

国情院に権力を集中してはならない

テロ防止法に関する緊急討論会、法案撤回を要求

民主社会のための弁護士会、民衆連帯、民主主義法学研究会、参与連帯など5つの社会団体は20日、ソウルのキリスト教会館で国家情報院(国情院)のテロ防止法案に関する緊急討論会を開いて、反人権的な法案の推進をただちに撤回することを要求した。

討論会の参加者らは、国情院が12日に立法予告したテロ防止法案に対し、一致して「反人権的な法案であり、拙速に推進されている非民主的な法案」だとの立場を明らかにした。発題・討論者として出席した人らが、法案に対して重点的に批判した部分は、△テロ発生時に国情院に権限が集中する、△軍兵力の動員および警察権の付与、△国情院の捜査権の拡大、△不告知罪、△虚偽事実申告罪、△参考人の勾引・留置、△被疑者の拘束期間延長――などをあげた。

「軍兵力に警察権を付与してはならない」

 発題者の1人であるウルサン大学法学部のイ・ゲス教授は、「テロ防止法案がテロ事態発生時に軍兵力を動員することと、動員兵力に警察官職務執行法上の権限を付与することが目を引く。これは憲法にもとづく非常事態宣言もないまま、国を実質的な戒厳状況にする危険性がある」と主張した。イ教授はまた、「法案が規定している『対テロセンター』業務に、テロ事件の捜査権がふくまれており、事実上『民間人に対する軍の捜査権』を認定している。これは憲法第27条に規定された場合を除外しては、民間人が軍事裁判を受けることがない権利を否定するものだ」と指摘した。

第2の国家保安法になる危険性が高い

 国情院が提案したテロ防止法案が、市民権を制限する代表的な悪法である国家保安法のように運用されることもありうる、という憂慮の声が高まった。討論者として発言した人権運動研究所のパク・レグン常任研究員は、「テロ防止法が国家保安法を原型としているのは確実だ。不告知、虚偽申告、拘禁期間延長など、いろんな条文が国家保安法とあまりにも酷似している」と説明した。さらにパク研究員は、「万一、テロ防止法案が通過すると、この間、国家保安法と国情院によってほしいままにされてきた人権侵害事件が、そっくりそのまま再現されることになるので、考えただけでも恐ろしい」と語った。

過度な国情院への権限集中は不必要

 討論者は、法案が現行の政府体系にない「対テロセンター」を新設して、その責任者を国情院長が担当するとしたことに強い反対意見を提出した。チョン・デヨン民衆連帯政策委員長は、「現行法のもとでも不審検問や通信媒体の盗聴など、情報収集が広範に行われている。これをさらに拡大するという国情院の意図は、社会の抵抗勢力にへの公安機関の攻勢を一層強化しようという意図が明らかだ」と主張した。現行の「国家情報院法」も、国外情報および国内保安情報の収集・作成・配布を規定しており、現役軍人など必要な公務員を使うことができるようになっている。

 コングック大学法学部のハン・サンフィ教授も、「米国がテロ防止法案を作ったのは、市民権保護体系が厳格であるために、相対的に小さな国家権限を少し付与するということだ。韓国のように国家統制が強く、国家権限が強力な国で、このようなテロ防止法案を作る必要はないと考える」との意見を表明した。ハン教授はまた、「テロ事態の発生時、軍行政と軍作戦権を二元化するように規定したのは、ややもすると軍に対する文民統制を不可能にし、軍国主義におちいる危険性さえある」と付け加えた。

 「国家人権員会が法令を検討すべき」

 討論者はまた、テロ防止法案は、立法予告期間を10日だけとしたことに対して、「公聴会などの手続きもなく定期国会での通過を推進するのは、最小限の民主的な手続きさえも省略して立法しようとする意図だ」と批判した。

 一方、この日の討論会の聴衆として、国家人権委員会のカク・ノヒョン委員(放送大教授)が参加したことと関連して、討論会の司会が「テロ防止法案問題が国家人権委員会で論議されることを期待する」と発言して、参加者の関心を呼んだ。この日の討論会には、社会進歩連帯、汎民連、民家協など社会団体の関係者約70人が参加し、法案に対する高い関心を反映した。これらの社会団体は23日、「テロ防止法案阻止共同記者会見」を開くことにしている。

 

(中央日報 11/21)

テロ防止法に人権侵害を憂慮する声が高まる

検察や警察さえも国情院の独走に反発

国家情報院(国情院)が12日立法予告した「テロ防止法案」をめぐり、人権団体はもちろん検察、警察も「人権侵害と捜査権問題が憂慮される」と反発している。

法案中の問題部分は、▽国情院にテロ対応業務を総括する対テロセンターの設置、▽国情院にテロ捜査権を付与、▽テロ容疑者の拘束期間延長(最長50日)−−など。

検察、警察と市民団体はまず、「テロ行為およびテロ団体に対する規定が過度に広範囲化し、農民、学生デモなどへの適用も可能だ」と指摘している。一般のデモで偶発的に国家要員や外交官が負傷した場合でも、テロと規定される可能性があるということだ。

またテロ犯罪者を申告しない場合、3年以下の懲役に科せるようにした規定は、国家保安法の不告知罪をそのまま移したものであり、捜査に応じない参考人を強制的に召喚できる規定は人権侵害となる可能性が高い。

市民団体らは特に、テロ事件発生時に軍部隊を動員できるようにした規定に対し「戒厳下で対応可能なこと」と指摘している。

民主化のための弁護士会のユン・キウォン事務総長は、「国情院が不必要な組織と法案を作って権限拡大を試みているようだ。テロ行為は既存の検察・警察組織と法体系内で処理されなければならない」と主張した。

民主弁護士会など市民団体は20日の討論会で、同法案の国会上程を防ぐための市民運動を行うことにした。

一方、国情院側は「人権侵害論議をなくすため、関連省庁と十分に協議した後、法案を確定する方針」と明らかにした。