第145号 2001年 11月 17日 


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(人権消息 第1978号 11/16)

「テロ、警察力で十分に防止できる」

テロ防止法の拙速推進に各界から人権侵害を憂慮する声

テロ予防を名分にして事実上、国家情報院(国情院)の捜査権と権限を大幅に拡大・強化する「テロ防止法」(仮称)が12日、国情院によって立法予告された。それだけでなく、この法案は不告知罪、虚偽事実申告罪、参考人の勾引・留置、拘束期間の延長など、人権侵害の素地が大きい条項を内包している。民主労総の法規次長のクォン・ドゥソップ弁護士は、「テロの規定があまりにも広範囲にわたりあいまいなこと」が、テロ防止法の最大の問題点だと指摘した。テロ防止法は、「政治的・宗教的・理念的・民族的・社会的目的をもって、個人や集団がその目的を追求したり、その主義・主張を広く知らせたりするために計画的に行う不法行為」と「テロ」を定義し、国家の重要施設の占拠および多数の使用施設への放火・爆発などをテロに該当すると規定している。仮に、ある公共労組が本社の建物を占拠してろう城をすると、これもテロと規定されて攻撃される事態が発生することもある。クォン弁護士はまた、刑事訴訟の特例条項として列挙されている、△情報資料の証拠能力△参考人の勾引・留置△拘束期間の延長――などを人権侵害条項として問題にした。とくに外国の情報・捜査機関が作成・提供する情報資料の証拠能力の対して、「証拠能力の認定の是非は、裁判所で判断する問題だ」と強く批判した。

何よりもテロ防止法は、この間の人権侵害問題の核心となってきた国情院の権限を大幅に強化している。テロ防止法によると、国務総理を議長とするテロ対策会議を構成することになっているが、この対策会議の常任委員長を国情院長が担当するようにした。また、国情院内に対テロセンターを設置して、対テロセンターの長は国情院長の推薦で大統領が任命するようになっている。対テロ活動の要職は事実上、国情院が独占することになる。

また、対テロセンターの公務員と対テロ活動担当警察官が、外国人に対する不審検問および滞留中の動向を確認できるようにし、テロを犯す憂慮があると判断できるときには、法務部長官に該当外国人に対する出国勧告または命令を要請できるようにした。

これに対してクォン・ドゥソップ弁護士は、「わが国でテロ行為が予想されるとしても、現行法で十分に規制できる。テロ防止法は、国情院の業務領域を拡大する目的でつくられたのではないか」との疑問を呈した。さらに、「組織とは、存在すること自体が行為することだ。国家保安法のように無理な捜査が予想される」と展望した。

これに対して国情院の関係者は、「ややもすると強く見えるかもしれないが、適用範囲が非常に狭くなっている。テロ防止法は議論の的にならないと考える」との立場を明らかにした。また彼は、「来年のワールドカップに備えるためには、今回の定期国会で通過しなければならない。このような状況において、公聴会などの意見収れんの手続きはないだろう」と断言した。最小限の手続き的民主主義さえも無視するというのだ。

これによってテロ防止法の立法予告期間も21日までの10日間だけとすると公示した。行政手続き法によると、特別な理由がない場合、立法予告期間は通常20日以上だ。

国情院の言葉どおりなら、11月12日に立法予告されたこの法案は、12月8日の定期国会会期が終わる前に国会を通過することになる。国情院の捜査権と権限を大幅に強化し、人権侵害を呼ぶ法案が市民社会の意見収れんの手続きさえもなく、1か月にもならない期間で通過してしまうことになるのだ。人権社会団体の積極的な関心と対応が必要である。

 

(人権消息 第1975号 11/13)

タン・ビョンホ民主労総委員長の初公判が開かれる

全国民主労働組合総連盟(民主労総)のタン・ビョンホ委員長に対する初公判が12日、ソウル地裁311号法廷(パク・ヨンギュ裁判長)で開かれた。200人が入れる311号法廷には民主労総関係者、「カトリック対策委」関係者ら約300人が集まった。

特殊公務執行妨害致傷、集示法違反などの容疑で起訴されたタン委員長は、キム・デジュン政権になってから2度目の法廷だ。

タン委員長の冒頭陳述は、「今年になって拘束された労働者が220人を超える」という言葉で始まった。彼は続けて、「今回の裁判を通して、民主労総が診断する韓国経済・労働状況に関する認識と苦心を明らかにする」と前提した後、「キム・デジュン大統領は、私と対面した場で、『労働者に痛みが行かないようにする』話したのに、この法廷に立って労働者の痛みを吐露しなければならない心境は複雑だ」と続けた。

彼はまた、労使政委員会で「勤労時間の短縮・全教組の早期合法化」などを約束しておきながら、これを破った政府を批判した後、「対話による約束を政府が守らず、マスコミは労働界の苦悩に顔をそむける状況において、民主労総が選択できる宣伝方法は集会以外なかった」と主張した。

一方検察は、冒頭陳述を終えたタン委員長に、△2000年5月末のゼネスト△2000年夏のロッテホテルのスト△2000年の韓国通信のスト△2001年のテウ自動車のスト△2001年6月の総力闘争などで引き起こした不法性を集中的に尋問した。次の公判は26日の予定。

 

(中央日報 11/16

大韓医師協会が「消極的安楽死を許容」の倫理指針

大韓医師協会(医師協)は15日、治る見込みのない患者の診療を中断するいわゆる「消極的安楽死」や、中絶、胎児性鑑別、代理母などを制限的に許容する内容の倫理指針を制定し、発表した。

医師協では、これまで論争が続いてきた争点について、医療現場で実際に医師が適用できるよう倫理的指針をまとめたと説明している。

だが、倫理指針のうち一部の条項は、現行の刑法や医療法などに触れるだけでなく、生命倫理に関わる内容であるため、激しい議論の展開が予想される。

倫理指針30条(回復不可能患者の診療中断)は、医学的に治る見込みのない患者や家族などが、生命を維持する診療の中断および退院を文書で要求すれば、医師がこれを受理できると規定している。

医師協のイ・ユンソン(ソウル大医科大教授)前法制理事は「重症患者に食事を与えず死に至らせるといった不作為による消極的安楽死とは違う」とし、「治る見込みのない患者の診療を中断するのは、生命短縮でなく、死の過程を減らし、患者自身の尊厳な生涯を全うできるようにしようというもの」と話した。