第144号 2001年 11月 10日 


韓 国 人 権 ニュース

韓国人権国際センター

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(人権消息 第1971号 11/7)

原紙返還請求「私の指紋を返してくれ」

反対連帯が賛同者を募集中

17歳になると住民登録証の発給を受けるために洞(日本では地区程度にあたる行政単位)事務所でいやおうなく押した10指指紋。しかしこのとき、10指指紋原紙が警察庁に保管されて活用されているという事実を知る人は少ない。このような状況で最近、警察から10指指紋原紙の返還を受けようとの運動が展開されて注目を集めている。指紋押なつ拒否者の集まりである、住民登録法改正行動連帯などで構成された「指紋押なつ反対連帯」は、10月28日から警察が保管している10指指紋原紙の返還または廃棄を要求する請求人を募集している。

彼らは「国民が提供した10指指紋の原紙が随時、犯罪捜査の目的に活用されている。これは満17歳以上の国民全員を潜在的な犯罪予備者と想定し、すべての国民を容疑線上に乗せて捜査をするものだ」と主張した。また、指紋押なつ反対連帯に参加しているユン・ヒョンシック氏は、「国民は身分証明書発給のために指紋を提供しただけだ。それ以外の用途に使用することを許した覚えもなく、公示を受けたこともない」という点を強調した。

現在、約100人が10指指紋原紙返還請求人として申請したという。これに対してユン氏は、「指紋押捺制度の問題点が十分に知られていない状況で、この数は決して小さくない」と評価した。さらに、「指紋押なつ制度の問題点を十分に認識できていない国民も、いったん問題点を感じれば、座視しないだろう」と展望した。

実際今月1日、チョンナム大学で、ドキュメンタリー映画の「住民登録証を破れ」が上映された後、観客の40人中22人がただちに請求人になった。「住民登録証を破れ」は、指紋押なつを拒否したソウル映像集団のイ・マリオ監督の作品だ。

警察庁の科学捜査課の指紋係関係者は、「指紋は確かに個人のものだが、いったん指紋を押したら公文書になる。個人が、公共機関が管理する公文に対して廃棄しろと要求することはできない」という見解を披れきした。指紋押なつ反対連帯は、11月9日まで10指指紋原紙返還・廃棄請求人を募集して、次週には警察庁に民願を提起する予定だ。警察庁がこれを受け付けない場合、行政訴訟をすることまで決意している。

 

(人権消息 第1972号11/8)

アラブ系は難民申請も受けられないのか

「9・11テロ」後、あいつぐ拘禁、強制出国の受難

 「9・11テロ」事件後、アフガンおよびアラブ系の難民申請者があいついで拘禁される受難をへている。「民主社会のための弁護士会」(ソン・ドゥファン会長)は7日午前、民弁の事務室で記者懇談会を開き、アラブ系外国人に対する人種差別疑惑を提起して、原則のない難民申請制度の問題点を批判した。

 記者懇談会の資料によると、今年の秋に難民申請をするためにソウル出入国管理事務所を数回訪問したアフガニスタン人2人とイラン人3人が、申請書の受付さえも拒否されたまま9−10月には、全員が不法滞在者として逮捕されたという。彼らは現在、ファソン外国人保護所に拘禁されている。他のイラン人1人も、9月に難民認定申請のためにソウル出入国管理事務所を訪問したが、不法滞在者であることがわかり、その場で逮捕された後、イランへと強制送還されたことがわかっている。

 これに対して民弁は、今回の保護措置と追放が、「ニューヨークのテロ」と「アフガン事態」以後取られはじめたものであり、このような取り締まりがアラブ系の人々だけに現れているとして、「明らかな人種差別だ」と主張している。

 民弁のキム・ギヨン幹事は、「難民申請者を不法滞在者だとの理由で拘禁したのは今回が初めてだ。これは難民の地位に関する国際法にも正面から違背する」と指摘した。難民条約には、「不法に自国の領域内に入国し、あるいは滞在しているという理由で、難民に対して刑罰を課してはならない」と規定されている。

 一方、法務部の滞在審査課のキム係長は、今回の事件が人種差別とはまったく無関係だと強調した。彼は、「彼らは身分証明書も旅券もなく、身分も明らかにしなかった」とし、身分が明らかでない彼らの難民認定申請を受け付けることはできない、との立場を明らかにした。キム係長はまた、彼らのうちの一部に関しては、「身分が確実でないばかりでなく、金をかせぐ目的で韓国に長期滞在する可能性が確認された」とも付け加えた。

 しかし一般的に、迫害を避けるために脱出してきた難民に、身分を証明する書類をすべてそろえろと要求すること自体、無理がある。難民の地位を認定される手続きをふむことができるか、できないかは、彼らにとって生存と直結する問題だ。これに関してキム幹事は、「難民の認定いかんは、審査過程で判断する問題であり、難民認定申請自体を拒否する問題ではない」とし、「出入国管理事務所側が難民問題を、単に出入国次元の問題、あるいは取り締まりの問題とだけ見る行政管理的思考から抜け出せていない」と嘆いた。

 

(人権消息 第1971号11/7)

現政権、整理解雇・非正規職労働者の闘いに弾圧を集中

今年の労働運動関連の拘束者が10年ぶりに最大の数値

 ノ・テウ政権以後10年ぶりに労働運動関連の拘束者が最大の数値を記録したことがわかった。民主労総によると、11月6日現在、ストライキなどの生存権闘争をくりひろげて拘束された労働者は223人で、毎週5人ずつ拘束されていることになり、これは92年の275人以後、10年ぶりに最大値に達する。

 事件別に見ると、テウ自動車の整理解雇事態と関連した拘束者47人、ヒョソン、テグァン、コハップなど化学繊維企業のスト関連者53人など、構造調整関連の拘束者が半数を占めた。また、韓国通信の契約職労組、建設運送労組、ケリア社内下請けなどの非正規職労働者の拘束者が31人と集計され、非正規職労働者の闘争に対する政府の強硬対応がわかる。

 民主労総はまた、キム・デジュン大統領の執権4年間の拘束労働者が668人で、キム・ヨンサム政権5年間の632人よりも相当に多い数値を記録していると明らかにした。民主労総は「このような数値が、キム・デジュン大統領執権期間中の雇用不安と生存権の後退に対して闘った労働者の抵抗が強かったことを示すものだが、一方では、政権が労働者の生存権闘争を相当過酷に弾圧したことを示すものだ」と分析した。民主労総のタン・ビョンホ委員長は、現政権になってから3度にわたって拘束収監された。