第111号 2001年 2月 3日 


韓 国 人 権 ニュース

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(人権消息 第1783号 2/1

いまこそ殺人的な転向工作を明らかにすべき

獄中死の調査開始・生存者の証言を契機に、国家による人権じゅうりんの究明必要

「やっと私も人間になれました」。29日、自身の「転向無効」を宣言した長期囚のキム・ヨンシク氏が記者会見を終えて語った一言だ。国家権力による強制的な転向工作が、人生をどれほど破壊するかを克明にする叫びである。キム氏はこの日の会見で、「組織的な拷問が行われた」として、彼の人生を踏みにじった国家暴力を告発した。

彼の告白の中には、73年の「転向工作専任班」で活躍した8人の実名が明らかにされている。これは彼が過去28年間、転向工作の悪夢からただの1日も逃れられなかったことを反証する。彼の良心宣言は、転向工作による人権破壊から回復への切実な願いだ。

転向工作は「地獄」で行われた キム氏は73年10月から2か月にわたる転向工作に耐え切れず転向書になつ印した。彼が当時服役した矯導所は、長期囚の間で「地獄」と呼ばれたクァンジュ(光州)矯導所だった。すなわちその「地獄」は「転向工作専任班」が暴力事犯の在所者まで動員して転向工作をしたことでも悪名が高い。別名、「臼」と呼ばれたこれらの在所者らは、同じ在所者である思想犯らに無慈悲な暴力を行使して転向を強要し、その方法もまた非人間的なことは言うまでもなかった。

いったん殴打が始まると、数時間継続するのが普通で、全身を拷問ひもでしばり、水拷問までもほしいままにした。口と鼻を水でふさぎ、やかんで数十リッターの水を顔にかけるというものだ。ここに唐辛子粉(コチュカル)を加えると、「コチュカル拷問」になる。このような生活を2か月続け、彼は矯導所の教務課に引っぱっていかれ、いわゆる「転向」をした。

ソンゴンフェ(聖公会)大のハン・ホング教授によると、「72年までに6―700人に登った非転向長期囚が、2―3年にわたる無差別の転向工作で約100人に減った」という。また彼は、「このような矯導所当局の転向工作の背後には、法務部と中央情報部がいた」とし、「73−75年の転向工作はいくつかの矯導所でだけ生じたものではなく、国家によるち密な人権じゅうりん事件だった」と語った。

転向拷問は「国家によるち密な計画」 72年当時、矯導所には満期出所を前にした非転向長期囚が多く、政局は7・4南北共同声明、10月維新、金大中ら致事件などで非常に混乱していた。このような時に長期囚が大挙して出所すると、社会の混乱が一層加重するという判断のもとで転向工作は遂行された。このように転向工作は、政権の保護のために、人間の基本権である良心の自由を任意に破壊する反人権的な大事件である。

キム氏は転向後の苦しさはもちろん、出所しても「経験してきたことを考えると苦しく、眠れないことも1日や2日ではなかった」という。「若いころに家族と離別し、青春をすべて監獄で過ごしてきても、自分を守ることができたのは『正しいことをしている』という良心だけだったのに、それさえも奪われて、『私はくずになった』という想いに今も苦しめられる」

疑問死の真相究明委、獄中死亡の調査開始 このようななかで大統領直属の疑問死真相究明委員会(ヤン・スンギュ委員長)が、「非転向長期囚の獄中疑問死を調査する」という決定を下したのは、示唆するところが大きい。疑問死真相究明委は1月20日、75件に対する「調査開始」を決定し、非転向長期囚の獄中死亡事件5件もここに含まれた。その5件は、パク・ユンソ(74年テジョン)、ソン・ユンギュン(76年テグ)、チェ・ソッキ(80年テジョン)、ピョン・ヒョンマン、キム・ヨンソン(80年当時チョンソン保護観察所)事件だ。

疑問死真相究明委員会のファン・インソン(黄寅成)事務局長は、「真実において彼らに対する違法な公権力行使は明らかになったが、民主化運動との関連のいかんが争点だ」とし、「しかし、彼らが権威主義的統治体制に抗議して、民主秩序を回復しようとした点は認定され、その収監経緯や思想に対しては注目しない」と決定の背景を説明した。

国家が犯した人権侵害は、その人権の回復もまた国家義務だという原則が大きく作用する。人権運動サランバンのソ・ジュンシク(徐俊植)代表も、「ピョン・ヒョンマン、キム・ヨンソン氏の場合、『非転向』だという理由で契機を終えていたにもかかわらず、保護観察処分を受けて懲役ならぬ懲役を生きた人たちだ」と指摘し、「直接的な転向工作によって死亡しなかったとしても、その不当な待遇に抗議し闘う過程で死亡したので、広い意味で転向工作の被害者と見なすべきだ」と説明した。

生き残り証言する被害者がいる しかし、強制工作は死んだ人たちだけの問題では決してない。キム・ヨンシク氏のように転向工作の被害を、今この瞬間までも抱えて生きている人たちがいるからだ。キム氏の良心宣言記者会見には、同じ境遇の長期囚ら10人が席を同じくした。

民家協の良心囚後援会のクォン・オホン(権五憲)会長は、「彼らのうち相当数が近いうちに徐々に『転向無効』宣言をするため、自身の生涯を再確認している」と語り、「大部分が北に帰るため」と明らかにした。彼によると、転向工作専任班の拷問行為に関する証言がさらに出てくるらしい。クォン会長はまた、「現在、北への帰還を望んでいる転向長期囚は約30人にのぼる」と語った。

 

(韓国連合ニュース 1/29)

与野党の若手議員が「国家保安法議決の自由投票を要求」

 民主党とハンナラ党の若手議員が29日から2日間開かれる各党の研修会で、国家保安法など改革法案への自由投票を主張するものと見られ、各党の指導部の対応が注目される。

 国会「正しい政治実践の集い」会長のシン・ギナム民主党議員はこの日、「党の研修会で国家保安法改正案に対する自由投票を要求する」と語った。

 シン議員はとくに昨年26日から3日間、対馬で開かれた、民主党所属の正しい政治実践の集い議員らの合宿討論会で、改革立法に関して「党指導部が負担に思うなら、党論に関係なく野党議員らと連帯して自由投票を推進しなければならない」と強く主張したと説明した。

 ハンナラ党のキム・ウォヌン議員は、「今日の研修会には、議員全員が参加する総合討論が抜けており、自由投票を要求する意見を公式に提起できない」と語った。

 しかしキム議員は、「国家保安法に対して自由投票する方案は、与野党の改革は議員が日程どおりに推進していく計画」だとし、「とくに研修会でイ・フェチャン(李会昌)総裁ら党指導部が国家保安法改正に反対の立場を明確にする場合、反論する」と明らかにした。

 このような若手改革派の要求にもかかわらず、与野党は国家保安法への自由投票に否定的な立場なので、自由投票の実現は不透明だ。