金大中氏救出運動と韓統連

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  連載   金大中氏救出運動と韓統連(13)

 

 韓民統がSI総会に招請される

 韓民統、韓民連の外交活動で、世界各国から死刑阻止・釈放要求の声が上がる

 ノルウェーのオスロで開かれた社会主義インター(SI)幹事会で、「韓国問題に関する特別決議」が採択され、ヨーロッパを中心とするSI加盟の各国政府と政党、社会団体は、崔圭夏政権への書簡送付や声明発表を通して、金大中氏に対する死刑宣告の不当性を辛らつに批判する一方、金大中氏の釈放を強く要求した。韓民統、韓民連の精力的な活動で、ヨーロッパなど世界各地で「金大中氏を釈放せよ」という世論が一層高まっていった。

 これはオスロのSI幹事会の後、七月八日に西ドイツ政府のゲンシャー外相が駐西ドイツ韓国大使を外務省に呼び出し、金大中氏をはじめ野党人士らの政治活動を禁止している状況に重大な関心をもって見守っている、との要望書を伝達したことや、二日後の十日には西ドイツとフランスの外相が西ドイツのボンで会談し、EC加盟国に金大中氏の拘束問題で共同歩調をとるよう要請することに合意したこと、また同じ日に西ベルリンで「韓独親善会」主催による一千人の集会が開かれ、光州市民への虐殺蛮行を糾弾し金大中氏の釈放を要求したこと、さらには同日に北欧四か国が、二十二日にはEC外相理事会が、それぞれ民主化運動弾圧と金大中氏ら民主人士の拘束に遺憾の意を表す決議文を採択したこと、などの事実を見れば明らかだ。

 韓民統、韓民連の対外活動によって、金大中氏の釈放を要求する世論が世界的範囲で一層拡大する情勢のなか、十一月十三日から十六日までスペインのマドリードでSI第十五回総会が開催された。韓民連は再び招請を受けた。しかし、韓民統、韓民連の対外活動を妨害しようとする韓日両政府の策動によって、韓民連中央本部(日本)の参加予定者(韓民統幹部)は日本政府の再入国許可を受けることができず、参加できなかった。代わりに、米国本部の議長であり首席議長である林昌栄・前国連大使とヨーロッパ本部の尹伊桑議長、林民植国際局長、鄭成培ヨーロッパ本部事務局長ら六人で構成する代表団が参加した。

 代表団を代表して、林昌栄首席議長が韓国情勢について報告した。林首席議長は演説で「SIやSI加盟国など、広範な世界の良心勢力の度重なる警告と抗議にもかかわらず、全斗煥一党が韓国民衆の民主化運動を一層悪らつに弾圧し、金大中氏らに対する殺人裁判を継続している。この事実を断罪し、中止させるために、全斗煥一党に実効性ある圧力を加えていくことの必要性」を強調、総会参加者から熱誠的な呼応を受けて決議文が採択された。決議文の内容は次のとおりだ。

 「われわれは最近の韓国事態の進展に対して再び強い憤りを表明し、自由と民主社会の建設のために闘争している韓国の民主勢力を継続して支援することを誓う。われわれは南韓当局に対して、金大中氏に下した死刑判決を即時撤回することを強く求める」

 参考までにつけ加えれば、SI第十五回総会には世界六十一か国の政党や団体代表五百余人が参加し、国際会議としても極めて規模の大きな会議であったため、それだけ波及効果も大きかった。

 同じ時期の十一月十三日、前述したように、日本では金大中氏に再び死刑判決を言い渡した控訴審判決に抗議する「十一・一三国民大会」が韓民統も参加するなかで七千人規模で開かれ、死刑判決の取り消しと金大中氏ら民主人士の釈放を要求する決議文を採択し、韓日両政府に伝達した。世界のいたる所で高まる抗議の声におびえた全斗煥は、年内に終えようとしていた大法院(最高裁)判決を遅らさざるをえなくなった。

 緊張した情勢のもとで、八一年に入ると、全斗煥一党は金大中氏への死刑判決の維持が困難だと判断、一月二十三日に大法院の判決公判でいったん死刑判決を出した直後、無期に減刑する措置を取った。これは、救出運動の前に全斗煥一党が事実上、屈服したことを意味するものであった。だが、韓民統は引き続き緊張した態勢を堅持し、完全釈放のための闘争を多様に繰り広げた。すでに紹介したが、二月一日から駐日大使館に波状デモを行ったのをはじめ、光州民衆抗争一周年を迎えて「韓国民主化支援緊急世界大会」の開催、ら致八周年に際して日本各地で開いた大衆集会、九月に入り、全斗煥独裁への政治・経済的支援の表れである韓日閣僚会議の開催反対闘争など、その闘いは枚挙にいとまがない。

 (つづく)

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